先発し力投する常広(撮影・市尻達拡)

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 「練習試合、侍ジャパン5−0広島」(5日、SOKKENスタジアム)

 マンゴー色のグラブを装着した広島・常広羽也斗投手が、侍に真っ向勝負を挑んだ。11月とは思えない強い日差しが照りつける中で投じた26球。宮崎の地でこれ以上ない貴重な経験を積み、改めて浮き彫りとなった課題を冷静に分析した。

 「いいボールも悪いボールもあって、今後の練習につながる投球だったと思います」

 まずは初回。2イニングの予定だったため「どんどん強いボールで入っていこう」とプランを立てていたが「なかなかうまくいかなかった」。1死から坂倉に四球を与え、辰己は打ち取るも小園には中堅フェンス際まで運ばれた。最速は149キロを記録し、無失点で終えたが「入りがよくなかった」と納得の内容ではなかった。

 二回は先頭の紅林に右前打を浴びるも、佐藤を遊ゴロ併殺打。五十幡からは「あそこに落ちれば三振が取れる」とフォークで空振り三振を奪い、2回1安打無失点でマウンドを降りた。

 シーズン中にも感じていた立ち上がりの不安定さを克服するため、試行錯誤の秋になりそうだ。「最初のイニングから強いボールを投げられるようにと考えて、ブルペンに入っている」。来季まで時間はたっぷりある。来季に向けて、課題に正面から向き合っていく。

 「貴重なイニングを先発させてもらえた。収穫もあったのでそれはよかった」と常広。この財産を無駄にするつもりはない。