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 ソフトバンクの和田毅投手(43)が5日、今季限りで現役を引退すると発表し、福岡市のみずほペイペイドームで引退会見を行った。「松坂世代」と呼ばれた1980年度生まれ、前身のダイエー時代を知る最後の現役選手だった。並み外れた練習量を誇り、40歳を超えても活躍を続け、22年のプロ生活で日米通算165勝をマーク。ファンにも愛されたサウスポーは、晴れやかな表情で現役生活に別れを告げた。

 【記者フリートーク】爽やかな笑顔、知的なイメージとは裏腹に熱い男だった。個人的にベストピッチとして挙げるのは2006年7月11日のオリックス戦(京セラドーム)の完封勝利。122球すべてに気迫が乗り移っていた。

 その1週間前、チームに衝撃が走った。当時の王貞治監督(現球団会長)が胃がんのために入院。和田の登板日は病室にCS放送のアンテナが取り付けられてから最初の試合だった。前回4日の西武戦で5回6失点KOされていた左腕は奮い立った。「前回は変化球主体の逃げの投球。今回は攻めて、それで打たれたら仕方ないと思い切っていった」。魂を込めて病魔と闘う指揮官に白星を贈った。

 ここ数年は左肩痛など度重なるけがに苦しんできたが、心を燃やしてマウンドに立ち続けた。傷だらけだった体を癒やし、またグラウンドに帰って来てほしい。22年間、お疲れさまでした。 (00〜06年ダイエー、ソフトバンク担当・森 寛一=西部総局編集部デスク)