現場近くの防犯カメラに容疑者の軽乗用車か「現金を引き出し分け合った」 大学生暴行死事件
北海道江別市で男子大学生が複数人から暴行をうけ死亡した事件で、容疑者らが大学生のキャッシュカードを奪い、ATMから現金十数万円を引き出したとみられることがわかりました。
交際関係のもつれからエスカレートしたとみられる今回の事件。
その経緯が徐々に明らかになってきました。
(山本記者)「男子大学生が暴行をうけ倒れていた公園です。事件の発覚からあすで1週間。現場にはいまも花が手向けられています」
(渡辺カメラマン)「公園内では鑑識による現場検証が行われています」
先月26日朝、千歳市の大学生・長谷知哉さんが江別市内の公園で全裸で倒れているのが見つかり、その後、死亡が確認されました。
死因は外傷性ショック。
顔や上半身には多くのあざがありました。
激しい暴行を受けたとみられています。
(第一発見者)「見つけて通りすがろうと思って、冗談かなと思って人形かなと思ったんだけど、まさかなと思ってもう一回戻ったんだ」
この事件で逮捕されたのが…
江別市の大学生・八木原亜麻容疑者と川村葉音容疑者。
そして、16歳から18歳の少年4人のあわせて6人です。
このうち長谷さんと最も関係が深かったのが、八木原容疑者です。
2人は数か月前から交際していました。
事件の背景にあるとみられるのが、交際関係のもつれです。
長谷さんは25日午後10時ごろ、千歳市からJR大麻駅周辺に到着し、アルバイトを終えた八木原容疑者の自宅に向かいます。
ここで何があったのかー
八木原容疑者はこのような趣旨の供述をしているといいます。
「長谷さんに1年後に別れることを切り出され、その相談のために会った。今後の2人の関係について会話をする中で不満が募っていった」
その後、八木原容疑者は友人の川村容疑者に「別れ話でもめている」という趣旨の連絡をします。
2人の状況を知った川村容疑者は、少年4人とともに車で現場の公園に向かい、午後11時ごろに2人と合流。
長谷さんに暴行を加えたあと、容疑者6人は車で立ち去ったとみられています。
これは現場近くの防犯カメラの映像です。
26日午前3時すぎ、札幌方向へと向かう軽乗用車を捉えていました。
川村容疑者のものとみられています。
容疑者らは犯行後、札幌市内のコンビニエンスストアに向かったといいます。
「ATMに容疑者5人の姿」
捜査関係者によりますと、26日午前、八木原容疑者を除く5人が、店内のATMから現金を引き出そうとする様子が防犯カメラにうつっていて、このうち数人が「長谷さんのキャッシュカードで現金を引き出して、分け合った」と供述しているということです。
被害額は十数万円にのぼる可能性があり、暗証番号は暴行中に聞きだしたとみられています。
交際関係のもつれに端を発した今回の事件。
警察は長谷さんのものと思われる衣服や所持品を札幌市内の川で発見して、特定を進めるとともに、事件のいきさつを詳しく調べています。