マイクロソフト、10─12月はクラウド事業減速・AI支出拡大へ

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Deborah Mary Sophia Aditya Soni Anna Tong

[30日 ロイター] - 米マイクロソフトは30日、第2・四半期(10─12月)に人工知能(AI)への支出が拡大する一方、クラウド事業「Azure(アジュール)」の成長は減速するとの見通しを示した。

同社株は引け後の時間外取引で当初の高値から下げに転じ、3.6%安となった。第1・四半期(7─9月期)決算は売上高と利益がともに市場予想を上回った。

ブレット・アイバーセン副社長(IR担当)は、今年度後半までAI能力の制約に対応できないとの見通しを改めて示した。

第2・四半期のアジュールの売上高は31─32%増と見込み、ビジブル・アルファがまとめた市場予想(32.25%)を下回った。第1・四半期は33%増で、市場予想(32%増)をやや上回った。

アジュールの成長に対するAIの寄与度は12%ポイント。前期は11%ポイントだった。

マイクロソフトはAIインフラ構築やデータセンター拡張に多額の投資をしてきた。

第1・四半期の設備投資額は前期の190億ドルに対し5.3%増の200億ドルと、ビジブル・アルファが集計した市場予想の192億3000万ドルを上回った。

ビジブル・アルファによると、アナリストはマイクロソフトの今年度の設備投資が800億ドルを超えると予想している。前年度比では300億ドル超の増加になる。

DAダビッドソンのテクノロジーリサーチ責任者、ギル・ルリア氏は「マイクロソフトは勝てないかもしれない設備投資戦争をエスカレートさせている。同社の投資額は非常に高く、フリーキャッシュフローの大きな足かせとなった。今後の利益率にも非常に大きな足かせとなるだろう」と述べた。

第1・四半期の売上高は16%増の656億ドル。LSEGがまとめたアナリストの予想平均は645億ドルだった。1株当たり利益は3.30ドル、アナリスト予想は3.10ドルだった。

業務用ソフト「オフィス」、「365コパイロット」、AI・音声技術サービスなどを手がけるプロダクティビティー部門の売上高は283億ドル。

基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」や「サーフェス」端末、ゲーム製品・サービスを含むパーソナル・コンピューティング部門の売上高は17%増の132億ドルだった。