兄はソフトバンク左腕の大野稼頭央 進んだ道は兄と異なる鹿児島の強豪「厳しい環境で試したかった」【高校野球秋季九州大会】
◆九州地区高校野球準々決勝 沖縄尚学5―0鹿児島実(継続試合)(30日・別大興産スタジアム)
鹿児島実のエース大野純之介(2年)が5失点で完投した。29日は8回2死まで雨の中で3失点で踏ん張り、味方の反撃を待った。継続試合の再開後は最初の打者に四球を与え、その後に適時三塁打を許した。「相手も同じ状況で戦っているので言い訳はできない。チームを勝たせる投球ができなかった」と涙で声を詰まらせた。
ソフトバンク左腕の大野稼頭央の弟。兄2人は地元の大島に進んだが、大野は「周りに自分より力がある選手がたくさんいるという厳しい環境で自分の力を試したかった。小さい頃から思っていた」と奄美大島を出て強豪の鹿児島実に進み背番号1を勝ち取った。
大島のエースだった兄の稼頭央も、3年前の九州大会で雨の中で10回を投げきった。スタンドで兄の投球を見ていた大野はその姿を思い出しながら雨の中で粘り強く投げていたが、勝利をつかむことはできなかった。「チームを勝たせられるようなエースになりたい。来年の夏に甲子園に行けるように練習して力をつけたい」と兄が立った聖地を目指しレベルアップを誓った。