札幌都心部の「大通西4南地区再開発」、36階建ての複合施設建設へ
札幌市都心部の大通地区で計画が進んでいる西4南地区第一種市街地再開発事業(中央区大通西)で、複合施設の権利変換計画が秋元克広札幌市長から認可された。再開発組合の事業協力者を務める平和不動産が明らかにしたもので、2028年度の完成を目指して建設工事に着手する。
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再開発場所は、札幌駅前通や大通公園に面した市営地下鉄大通駅付近。約5,000平方メートルの土地に鉄骨、鉄筋コンクリート、鉄骨鉄筋コンクリート地下3階、地上36階建て、高さ185メートル、延べ約10万平方メートルの複合施設を建てる。
地下で大通駅と接続するほか、大通交流拠点の地下広場を拡充する。低層階は商業施設、滞留拠点のアトリウムテラス、中層階は高機能オフィス、高層階は国際水準の高級ホテル「パークハイアット札幌」が入る。パークハイアット札幌は全157室。温泉や屋内プール、宴会場、飲料施設などを併設する予定。
さらに、大規模災害に備えた帰宅困難者受け入れ施設や地域冷暖房プラントを備えるほか、地上と地下の歩行空間を整備して大通地区の魅力向上。国際競争力を持つ機能整備、環境負荷軽減と災害に配慮した機能整備という目標達成を目指す。開業は2029年になる見込み。
地権者らで組織する再開発組合は当初、北海道新幹線の札幌延伸に合わせて開業する方向で計画を進めていた。しかし、延伸工事は倶知安町とニセコ町にまたがる羊蹄トンネルの比羅夫工区で巨大な岩塊にぶつかって難航し、予定通りの2030年度末開通が難しくなった。
その一方で、札幌市やニセコ町など北海道を訪れる訪日外国人観光客は急速に回復している。このため、再開発組合は北海道新幹線の延伸を待たずに、当初予定通りの複合施設開業を目指している。