秋季練習でキャッチボールする日本ハム・山本拓

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 日本ハム・山本拓実投手(24)が27日、エスコンでの秋季練習後に飛躍の要因を明かした。中日から移籍2年目の今季はリリーフながら驚異的な勝ち運でキャリアハイの6勝。活躍の裏に愛妻からの助言があったことを挙げ、来季ポストシーズンでのリベンジを誓った。

 7年目の今季は6月13日の古巣・中日戦(エスコン)で移籍後初勝利を挙げるなど36登板で防御率1点台。勝負の8月以降は15試合で防御率0・50と抜群の安定感でブルペンを支えた。一方で春先は不調による2軍降格を経験。転機は5月だった。球場からの帰りの車中、妻に「表情も暗いしテンポも悪くない?」と声をかけられた。昨年12月に結婚した“姉さん女房”からの一言が、悩める右腕を救った。

 野球好きで、中日時代から欠かさず登板を見てくれていたからこその気付き。「いい時はポンポン投げ込むのに、良くない時は迷ったり悩んでるように見える。抑える時は、マウンドで抑えそうな雰囲気があるよ」。ブルペンでの振る舞いから全てを変えた。最善の準備こそ試合での自信につながると考え「常に攻める気持ちにさせてくれた」。

 結婚後初めて迎えたシーズンで無傷の6勝。新庄監督には短期決戦のキーマンに指名され「抑え起用」の可能性も浮上していたが、CS中に背中を痛めた。「CSで投げたかった。本当に悔しかった」。患部は完治し、11月からの秋季キャンプではブルペン入りも予定。「準備するだけ。来年こそいい場面で投げさせてもらえるように」。実りの秋にすることを約束した。(堀内 啓太)