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『ジョン・ウィック』シリーズでのキアヌ・リーブスというと、スーツ姿、長髪、ヒゲが印象的だ。とりわけ、ヒゲは監督のチャド・スタエルスキが強くこだわり、スタジオや投資家たちと戦った部分だったという。

シリーズ第1作『ジョン・ウィック』(2014)から10周年を迎え、スタエルスキと共同監督のデヴィッド・リーチが米のインタビューに登場。今では見慣れた感もあるキアヌのヒゲだが、『ジョン・ウィック』製作当初は反対意見も多かったという。

スタエルスキは「現代のギリシャ神話的ファンタジー映画を作ろうとしていたんです。それは主流ではなかったので、キアヌとカッコいいことをしたかった」と当時のビジョンを明かした。

「でも、資金を出す方々は“キアヌ・ファッキン・リーブス”を見たいわけです。『ハートブルー』(1991)のキアヌ、『スピード』(1995)のキアヌをね。今もそういうことがあるのかは分かりませんが、当時は“主演俳優の顔をヒゲで覆うなよ”と力のある人たちに言われました。」

精悍で端正なキアヌのイメージを保ちたいという意見も納得できるところだが、スタエルスキはこれに抗った。リーチもまた、「私はその話に入りたくなかったのだけど、それ以来、スターがヒゲを生やすことについての議論をしています。“世界のためにヒゲを剃るべきだ!”なんて、昔ながらのスタジオの言うことですね」と述べている。

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スタエルスキいわく、キアヌにヒゲを剃らせるのを拒否し、これまでに見慣れたアクションヒーローではない、新たなキャラクターを観客に見てほしいという選択を取ったことで、製作チームは大きく非難もされたとのこと。しかし、その決断に間違いはなかったことを振り返っている。

「私達をクビにはできないだろうと感じたので、撮影初日には、キアヌにはヒゲを生やしたままにしてもらいました。その翌週にはデイリー(撮影した映像素材)を見てもらったんですが、そこには撮影監督のジョナサン・セラによる、今となっては有名な、半分だけ光のあたったショットがあったんです。皆さん、いたく気に入っていましたよ。」

以来、キアヌのヒゲはファン目線ではすっかりトレードマークのようにも思える。このところは短髪にしているが、プロのカーレーサー・デビューを際もヒゲはそのまま。渋さと爽やかさが共存するキアヌを確認できる。

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