後半終了間際に同点に追いつくゴールを挙げた中谷。120分間、攻守に奮闘した。写真:福冨倖希

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[天皇杯準決勝]横浜 2EX3 G大阪/10月27日/パナソニックスタジアム吹田

「終了間際に持っているなって思いましたし、最後まで諦めない姿勢を見せられて震えました」

 笑顔でそう語ったのは、ガンバ大阪のCB中谷進之介だ。

 10月27日、G大阪は天皇杯準決勝で横浜F・マリノスとホームのパナソニックスタジアム吹田で対戦し、延長戦の末に3−2で勝利。2020年以来の決勝進出を果たした。

 この一戦でチームを救うゴールを決めたのが中谷だ。

 G大阪は26分に山田康太の鮮烈ボレー弾で先制するが、37分に同点に追いつかれると、88分に勝ち越し弾を許す。このまま万事休すかと思われた90+3分、鈴木徳真の左サイドからのクロスをエリア内にいた中谷が渾身のヘディングで押し込んだのだ。

 試合を振り出しに戻したG大阪は、延長戦に入ってもその勢いのまま横浜のゴールに襲い掛かる。そして120+5分に坂本一彩が勝負を決するゴールを決め、120分の死闘を制した。
【動画】中谷の渾身の同点弾!
「失点にも絡んでしまっていたので」と反省も口にした中谷は、自身の得点場面では「取り返すしかないって想いで前線に残っていた」という。また、FW顔負けのヘディングについては「イメージは元ドイツ代表の(ミロスラフ・)クローゼ」と明かした。

 多くのG大阪サポーターが駆けつけた一戦で、ゴールが決まった瞬間はスタジアムが揺れるほどの大歓声が起きた。これには中谷も「最後は自然と一体になっていて、その応援に感動しましたし、あの雰囲気を感じて、いけると思った。本当にサポーターの力で勝ったと思います」と感謝を口にする。

 決勝は11月23日、ヴィッセル神戸と相まみえる。前年のリーグ覇者でもある相手に、G大阪は9大会ぶりのタイトルを獲得できるか。背番号20の活躍にも注目だ。

取材・文●金子徹(サッカーダイジェスト編集部)