9回、梶原の適時打で生還した京田(98)を迎える三浦監督(右)=撮影・西岡正

写真拡大

 「SMBC日本シリーズ2024、DeNA3−5ソフトバンク」(26日、横浜スタジアム)

 どれだけ劣勢になっても、DeNAファンは声をからし続けた。CSでのパブリックビューイングでは“無人”のグラウンドから力を届けた。そのファンの待つ舞台に帰ってきたナインたち。最後に意地は見せたが、初戦は悔しい惜敗。試合後に言葉を絞り出したのは三浦監督だった。

 「ゲームセットまで何が起こるかわからないし、負けじゃない。(ファンの方は)最後の最後まで一緒に戦ってくれますから、ありがたいです」

 5点を追う九回。このまま終わるわけにはいかない。まずは先頭のオースティンが守護神・オスナからフェンス直撃の二塁打で出塁。そこから2死を挟むも、意地を見せたのはここから。梶原が中前適時打を放ち、森敬も適時打で続いた。代打・筒香も右前打でつなぐなど、一丸野球で3得点。「明日につなげないといけない」と指揮官は言葉に力を込めた。

 最後の決戦を前に、この日は選手ロッカーに球団スタッフを含めた全員を集めた。三浦監督の言葉で心を一つにする。「ミスしても忘れて、次のプレーに集中しよう。ここにいる全員が一丸となってソフトバンクを倒そう」。貯金42でリーグを制した圧倒的な強者だ。束にならなければ勝利はない。力を結集した。

 第1戦は有原の前に打線が沈黙し、黒星発進となった。それでも、ここで終わるわけにはいかない。過去は引きずらない。三浦監督は最後まで下を向くことはない。