関大・金丸夢斗の交渉権を獲得した井上一樹監督(右)(カメラ・池内 雅彦)

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◆2024年 プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD(24日)

 12球団の1巡目指名は、関西大の最速154キロ左腕・金丸夢斗(かねまる・ゆめと)投手(21)に4球団、明大のアマNO1遊撃手・宗山塁内野手(21)に5球団と2人で計9球団が集中した。宗山はソフトバンク、日本ハム、広島、楽天、西武の5球団の競合で、楽天が引いた。金丸は巨人、阪神、DeNA、中日が競合して中日が引いた。

 ドラフト前日までに1位指名を公表したのは広島の宗山のみ。22年は9球団、23年は5球団が公表していたが今季は11球団が手の内を明かさない「隠密ドラフト」となっていた。この各球団の動きは、投手では金丸、野手では宗山が頭ひとつ抜けていることが要因のひとつだった。

 兵庫・神港橘高では甲子園出場のなかった金丸だが、関大入学後に急成長。2年春の同大戦で17K完封で最速150キロをマークすると、一気にスカウト陣の視線をクギ付けにした。同年秋には最優秀選手など2冠、3年秋は3冠を達成。関西学生リーグで3年秋から今秋まで72イニング連続自責点0と圧倒的な数字を残した。3年春は右膝の負傷で戦線離脱し、今春は腰の骨挫傷も抱えていたが、圧巻の活躍で今ドラフトのNO1投手となった。

 3月に行われた「カーネクスト 侍ジャパンシリーズ2024 日本VS欧州代表」では、プロ選手に交ざって侍ジャパンの一員として参加。2回4奪三振と快投を見せた。侍ジャパンの井端監督が「大学生の中でも群を抜いて制球力がいい。左で150キロを超えて左打者の内角をどんどん突けるというところでは大学生の中でも抜けている」と絶賛。最速154キロを誇り、大学4年間の通算では、18連勝を含む20勝3敗、防御率0・83、312三振奪三振だった。

 広陵高で2度甲子園に出場した宗山は、走攻守三拍子がそろったアマ球界NO1遊撃手。21日には2安打を放ち、東京六大学通算116安打となって、早大・鳥谷(阪神など)を抜く歴代8位タイの記録となった。金丸と同じく今年3月には侍ジャパン入りも果たした。

 ◆金丸 夢斗(かねまる・ゆめと)2003年2月1日、神戸市生まれ。21歳。小学1年時に野球を始め、3年時から本格的に投手。広陵中では軟式野球部。神港橘では1年秋に背番号10でベンチ入り。3年夏の県独自大会8強入り(コロナ禍のため5回戦で打ち切り)が最高成績。関大では1年秋からリーグ戦登板。最速154キロを誇り、関西学生リーグ通算20勝。177センチ、77キロ。左投左打。

 ◆宗山 塁(むねやま・るい)2003年2月27日、広島・三次市生まれ。21歳。三良坂小1年から三良坂少年野球クラブで野球を始め、三良坂中では軟式の高陽スカイバンズでプレー。広陵では甲子園に2度出場。明大では1年春からベンチ入りし、2年春に首位打者。ベストナイン3度。リーグ戦では歴代8位タイの通算116安打。3年の3月には侍ジャパントップチームにも選出。175センチ、79キロ。右投左打。