2024年9月に発売された「Google TV Streamer」は、これまでChromecastと呼ばれていたシリーズの最新かつハイエンドのモデル。基本的にテレビやモニターに直付けするスタイルだったのが独立した端末になって、平べったい枕のようなフォルムのそれを、別途HDMIケーブルを用意してつなぐ形になった。

Google TV Streamerのパッケージと同梱品

平べったい本体

 機能面については、1つ前のモデルであるChromecast with Google TVとほとんど同じ。付属のリモコンで操作し、YouTubeやNetflix、その他動画・音楽配信サービスのコンテンツを視聴するのがメインで、一部のAndroidアプリも使える。

ちょっと長くなったリモコン

Google TV Streamerのホーム画面

 新たに追加された機能を挙げるとすれば、スマートホーム機器の制御が画面操作で可能になったことだろう。従来は音声操作のみで使い勝手は決して良いとは言えなかったが、今回からホームボタン長押しで表示されるホームパネル内で各種スマートホーム機器を簡単にコントロールできる。

ホームパネル上に「Google ホーム」が出現

 スマホのGoogle Homeアプリと似た感じで、照明のオンオフはもちろんのこと、Google Nest DoorbellやGoogle Nest Camのカメラ映像の確認もできるようになった。このあたりはけっこう便利でうれしい進化だ。

宅内のスマートホーム機器を素早く制御

Google Nestシリーズのカメラ映像をダイレクトに確認可能

 ハードウェア的にはプロセッサーが従来よりも高速化したとか、ストレージが増えた(容量26GB、Chromecast with Google TVは4.4GB)とか、いくつかある。のだけれども、動画を見るというメイン機能においては、以前も今回も4K HDR対応だし、レスポンスも特に変わらないように思えて、パワーアップした実感があまりないなあ、というのが正直なところ。

内蔵ストレージは26GBに増量

 でも実は、もっと重要な進化ポイントがある。それはネットワークだ。無線LANはIEEE802.11ac(Wi-Fi 5)で以前と変わらないのだが、プロセッサー性能がアップしたおかげなのか、通信が高速化されているっぽい。

 通信速度の確認方法は少し手間だけれども、Webブラウザの「BrowseHere」を使い、通信速度計測サイトにアクセスして行なう。Androidアプリが使えるとはいえ、Chromecastに対応している通信速度計測用アプリは見つからなかった。ちなみに計測環境は、Wi-Fi 6E対応アクセスポイントで2.5GbEでルーターに接続しており、インターネット回線は10Gbpsとなっている。

Chromecastで使えるWebブラウザアプリ「BrowseHere」

 テストの結果、Chromecast with Google TVは下り82Mbps、上り19Mbpsだった。これだけあれば動画配信サイトの4K再生も問題ないっちゃあ問題ないのだけれども(Netflixでは4K再生時の推奨速度を15Mbps以上としている)、数字としてはなんだか物足りない感じ。

Chromecast with Google TVのテスト結果は下り82Mbps、上り19Mbps

 一方、新しいGoogle TV Streamerは、同じWi-Fi接続で下り190Mbps、上り220Mbpsと格段に高速化している。3桁Mbpsになるとぐっと安心感が出てくるのは気のせいではないはずだ。そして、Google TV Streamerは最大1Gbpsの有線LANポートも装備している。ルーターとLANケーブルでつなげば、より高速かつ安定した通信を実現できるはず。

Google TV StreamerのWi-Fi通信では下り190Mbps、上り220Mbps

有線LANポートがあるので、ここに接続して計測してみる

 なので、有線接続でも速度計測してみると、下り500Mbps超、上り200Mbps超という桁違いのパフォーマンスとなった。これなら一切不安も不満もない。自分で撮影したよりビットレートの高い生動画データも滑らかに再生できるし、アプリ追加もサクサクだ。テレビ・モニター周りにLANケーブルを引き回せる環境にあるのなら、Google TV Streamerはぜひとも有線LAN接続で使ってほしいと思う次第である。

Google TV Streamerの有線LAN接続では、下りは500Mbpsを余裕で超えた

製品名 発売元 実売価格 Google TV Streamer グーグル 1万6000円