Photo: Kyle Barr / Gizmodo US

DJIから超小型軽量ドローン「DJI Neo」が新登場!

DJI史上最軽量の低価格ドローンで、プロ仕様の機能も一部備えつつ、価格帯はおもちゃのラジコンレベル。

飛行音はラジコンより大きくなりますが、操作性はかなりよい。4Kで撮影するとバッテリーは15分しか持ちませんが、120m以上の高さから高品質の映像を撮影できるのはかなり魅力的でした。DJIは、ビデオブロガー向けの入門用ドローンとして位置づけていますが、本格的に空撮をしたくなった場合は、すぐに物足りなると思います。

これはなに?:DJI Neoは、200ドル(日本では税込3万3,000円)で購入できる、使いやすい高速ドローン。4Kでの撮影も可能で、初心者にとっても魅力的な選択肢だが、バッテリー持ちが短いことが唯一のネック。

いいところ:値段のわりに速くて操作性が良い、高品質な4K映像、プリセットの「クイックショット」が素晴らしくて、初心者でも簡単に操作できる。

残念なところ:バッテリー持続時間が15分と短い、予備バッテリーが必要、ドローンの最大速度を活かすには、追加のコントローラーが必要、アプリの操作はコントローラーより反応が悪い。

DJI Neoはセットアップの時間はほとんど必要なく、DJI Flyアプリのボタンひとつで、手のひらから即座に発射できます。135gと非常に軽いため、弱い風ても若干飛行が不安定になることもあります。プロペラを囲むケージはペラペラのプラスチックで、強く握ると折れちゃいそうですが、ちゃんとDJIは交換用のパーツを9️ドル(約1,400円)、プロペラを5ドル(約760円)でご用意してくれています。

3万3,000円のベーシックキットの中身は最低限で、ドローン本体とバッテリー1つと、その他ケーブルなどの付属品のみ。RC-N3コントローラーやRC Motion 3、Goggles 3など、DJIの他のアクセサリーとの互換性はちゃんとあるのですが、ベーシックキットのみで操作する場合は、スマホのアプリを使う必要があります。専用のコントローラーよりは正確さや使いやすさは劣るものの、スマートフォンだけでも操作可能です。特に、自動撮影オプションや、目の高さで追従する「フォローモード」で事足りる場合は、アプリで充分だと思いました。

DJI Neoを使い倒したいとなった場合、ベーシックキットだけでは物足りなくなって、40ドルのバッテリー(約6,000円)、30ドル(約4,500円)のRC-N3コントローラーなど、投資が必要になるかもしれません。

DJIは、3つのバッテリーと充電ハブがセットになった「No-RC」コンボも販売していて、この価格帯は、これまでのDJIの入門用ドローンであるDJI Miniとほぼ同じ価格になります。最初は3万円だったはずなのに、アクセサリーに課金し始めて、気づけばDJIにかなり貢いでしまう結果になる可能性も充分にありますね。Neoはドローン沼の壮大な釣り針かもしれません。

つくり・品質をチェック

Photo: Kyle Barr / Gizmodo US

まず素材的には、DJI Neoはまあ3万円レベルかな、という質感です。外観はプロペラからガード、ジンバルにつけられたレンズケースまで、すべてプラスチック製です。使用していないときにレンズを保護するのは、ジンバルマウントに被せる薄い透明なプラスチックキャップだけになります。

何度か軽く衝突したりしましたが、数か所に傷はついたものの損傷にはいたっていません。レンガの壁への激突は回避できましたが、気をつけたほうがよさそう。ある程度気をつけさえすれば、ドローンを壊すことは普通はないはず。DJI Flyアプリでは、複数の自動着陸モードを切り替えることができ、Neoを地面や手のひらの上にまっすぐ降ろすことができます。アプリから操作するか、バッテリーがなくなると、Neoは自動帰還機能で元の発射地点に戻ってこれますが、降下中、木などの障害物には注意が必要です。

Neo本体には、電源ボタンとモードボタンの2つの物理ボタンがあります。モードボタンでは、自動「クイックショット」を選択可能で、ドローンがユーザーの周りを周遊したり、急上昇するダイナミックな映像を簡単に撮影できます。「ドローニー」は、後方に上昇する撮影モード、「ヘリックス」は、螺旋状に飛行する撮影モード、「ブーメラン」は、被写体の周りを楕円形に飛行する撮影モード。「ロケット」は、文字通りロケットのように空に急上昇するモードを試す場合は、上空までに充分な空間があることを確認しておいてくださいね。

操作性と機動力をチェック

Photo: Kyle Barr / Gizmodo US

DJI Neoは小さいですが、さすがDJI製だけあって、性能は確か。

機敏で素早くて、手のひらから数秒で一気に急上昇し、そのスピードが早すぎて音もよくわからなくなるくらい。ただし、最大スピードを引き出すには、アプリではなく専用のコントローラーが必要になってしまいます。スポーツモードでの上昇速度3m/s(時速6.7マイル)や水平速度8m/s(時速17マイル)はアプリでは利用できません。マニュアルモードでの最大水平速度16m/s(時速36マイル)を引き出すには、さらに特定のFPVコントローラーが必要ですので、その機能はテストできませんでした。スマートフォンを使う場合、ノーマルモードでは水平速度6m/s、垂直速度2m/sまでに制限されます。

Neoを実際に操作するには、スマホのアプリか、複数あるDJIの物理コントローラーのどちらかになります。Neoは、DJIのドローンの中でも初めてアプリ操作を前提としたモデルですが、個人的にはスマホにも物理的に接続できるRC-N3コントローラーを使うほうが断然好みです。

もちろん、他に選択肢がない場合はスマホだけでも操作できますが、2つのタッチダイヤルコントロールはあまり反応がよくないと思いました。ドローンがスマホから約30cmの距離でも、インプットの操作からドローンが反応するまで明らかなタイムラグがありました。

でもコントローラーがなくても、DJI Neoの自動クイックショット機能のおかげで簡単にビデオ撮影ができるのはいいですね。私のお気に入りは「フォローモード」で、これはドローンが顔認識して、動きに合わせて目の高さで追尾してくれるモードです。しゃがんだら、ドローンも目の高さに合わせて着いてきてくれます。

Neoには障害物検知センサーがなく、顔認識と2つの下を向いてる赤外線センサーとで水平を保っています。それでも驚くほど機敏に操作されます。狭い潜水艦の中とかは難しそうですが、狭いオフィス内でも、ドローンが飛行失敗したり、人の髪の毛に絡まったりするようなことはありませんでした。

とはいえ、Neoは屋内での使用は避けたほうが無難です。少なくても人が近くにいる場所はやめたほうがよさそうです。耳をつんざくような高音の飛行音は、近くにいると不快で単純に迷惑ですね。アプリの音声コントロール機能は、スマホにかなり近づいて話す必要もあります。

一方で、屋外では地上から最大120mの高さまで飛ばすことができます。それ以上の高さになると、ドローンは自動的に停止します。DJIによれば、このドローンの操作範囲は約50mとのこと。私はニューヨーク市内でドローンを飛ばせる数少ない場所の1つであるコニーアイランドのカルバート・ヴォークス公園に持って行きました。フィールドの片方の端までの半分の距離まで飛ばしてみましたが、その日は風もなく晴れていたこともあり、途中で途切れたり、ラグは全くありませんでした。

ただ、強風の中でドローンを高く飛ばすのは不安もありました。120mまで飛ばすとかなり揺れていましたが、映像ブレ補正機能のおかげで、撮影した映像の仕上がりはいい感じでした。

動画のクオリティをチェック

DJIはNeoの4K撮影機能をアピールしていますが、デフォルトは1080pで30fpsになります。仕様は、0.5インチのセンサー搭載、視野角は117.6度、絞りはf/2.8です。編集なしで高品質な映像を期待していたら、Neoは理想的ではないかもしれません。また縦向きのフォーマットで撮影はできないため、TikTok向けの動画を撮影したい場合は少し工夫が必要です。

そもそもこの値段のドローンの映像クオリティにケチを付けるのもなんですが、明るい日差しのなかでは、プロ用のビデオ設定を調整しないと映像は白っぽくなりがちです。低照度では、映像にザラザラ感もありました。晴れた日のコニーアイランド上空から撮影した映像は素晴らしかったですけどね。小さいセンサーなので、長時間や高精細な動画には向いていませんが、手軽にサクッと撮りたい場合は便利ですね。

ジンバルについているセンサーは、真下のマイナス90度から60度の範囲で動かすことができます。地面に向けてまっすぐ下に向けた時、ドローンが静止していても映像が微妙に傾いてしまうことがあるのは気になりました。

これらの課題や細部の映像クオリティに目をつぶれば、DJI Neoの映像には全体的に満足できるものだと思いました。広範囲にわたる左右に水平に動動くパン撮影や、前後に動くドリー撮影は素晴らしくて、この値段のドローンで撮影しているとは思えないほどのクオリティです。手軽に映像を撮影したいなら、Neo以上に安価で優れたものは今のところないと言えるでしょう。

バッテリーレベルをチェック

Photo: Kyle Barr / Gizmodo US

DJIが設定している最大距離50mというのは、バッテリーが切れたときにドローンが帰って来られる時間を確保するためのものかもしれません。ショート動画やクイックショットであれば、10数回の離陸が可能ですが、長時間の動画撮影をしようすると、バッテリーの持ちが悪くなります。また、バッテリーを長持ちさせるための方法として、1080pで撮影するのもひとつです。

DJIによると、60Wの大きな電源アダプターで、3つの1,435mAhバッテリーを0%から100%まで充電するのに約60分かかるとのこと。ドローンに直接バッテリーを接続して充電する場合は約50分かかります。そのため、短時間飛ばしてからすぐに充電、またすぐに飛ばす、といった使い方には向いていません。

総評

Photo: Kyle Barr / Gizmodo US

DJI Neoは、クリエイターにとって完璧な入門用ドローンであり、パワーユーザーにとっても安価で便利で実用的なドローンです。

それだけではありません。このドローンはこれだけの機能を備えながら、現在のドローン市場の中でも最も安価です。優れていて操作も簡単なので、空飛ぶカメラが欲しいと思う人にとって、これ以上の選択肢はないと思えるほどですね。DJI Neoはこの非常に魅力的な価格帯なので、DJI Neoでドローンデビューする人がバンバン増える光景が目に浮かびます。

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