「にゃん旅鉄道〜さくらの物語」より


【漫画】本編を読む

福島中央テレビの情報番組「ゴジてれ Chu!」で、放送されていた人気ミニコーナー「にゃん旅鉄道」。現在は「ふにゃ〜り日和」へリニューアルして毎週火曜日に放送されている。「ねこが働く駅」として知られる福島県の会津鉄道・芦ノ牧温泉駅を舞台に、働くねこたちの様子を紹介している。約1分間の短いコーナーながらTVerでは、総再生数170万回を突破し、なんと映画も公開された。

「にゃん旅鉄道〜さくらの物語〜」は、そんな「にゃん旅鉄道」をモチーフにした創作漫画。妹ねこの「さくら」を主人公に、働くねこたちの日常はもちろん、芦ノ牧温泉駅にやって来る人々との実話をもとにしたエピソードや四季折々の風景を、イラストレーターで漫画家のゆきよみさん(@yukiyomi333)が丁寧に描く。

■背中で紡がれる暖かい物語







咲き始めた桜をみながら、初めて出会った日のことを思い出す2匹。二人の出会いは満開の桜の木の上から、さくらがお兄ちゃんの背中をクッションにして飛び降るところから始まる。作者のゆきよみさんは「今回のお話は『背中』をテーマに作りました。お兄ちゃんの背中に飛び降りるさくら、ストーブよりも暖かいお兄ちゃんの背中、その背中を追いかけるさくら。『背中』をキーワードにお話を繋げ展開していきました」と語る。

なかでもお気に入りは、最後のコマだと語るゆきよみさん。「駅舎の反対側に広がる田んぼから2匹を見た、最後のコマがお気に入りです。小さな後ろ姿ですが、きっとさくらはお兄ちゃんに甘えているのだろうと思います」2匹はどんな会話をしているのか、想像したくなる印象的なシーンになっている。

また今回のストーリーのキーワードになる「桜」にも注目したい。ゆきよみさんは「桜のつぼみや、満開の桜の表現にこだわりました。春の雰囲気を『グレー』と『ピンク』のみで表現しました。2色だからこそ、桜のピンクが引き立ったと思います」と桜の描写へのこだわりを語ってくれた。

会津鉄道・芦ノ牧温泉駅を舞台にした、働くねこの日常や主人公さくらの成長が楽しめる本作、それらを取り巻く美しい四季や暖かい人間(猫)模様をこれからも見守っていきたい。

取材協力:ゆきよみ(@yukiyomi333)