この記事をまとめると

■新車のオプションはセット販売されることが増えた

■ディーラーオプションはあと付け可能なことが多いので焦って決める必要はない

■一部を除いてオプションの有無で売却価格に差が出る装備類はそれほど多くない

最近のオプションはセット販売が主流

 新車商談を進めていて見積書を作ってもらう際にセールスマンが、「オプションはどうしますか?」と聞いてくるのがお約束。そしていまでも多くの車種ではカーナビやドラレコ、ETCなどメカニカルなものを選択したあと、今度は「アクセサリーはどうしますか」といった話になる。筆者は「マットやサイドバイザーなど必要最低限のものがあればいいです」とたいてい返答するのだが、そんなとき、いまどきは「ベーシックセット」などと呼ばれるセット用品を勧められることが多い。

 細かくその内容を紹介してくれるセールスマンもいるが、「これを選べば全部ついてきますよ」などと紹介されて選択すると、フロアマットやサイドバイザーのほかに盗難防止ホイールナットやナンバーフレームなど、筆者にとってはいらないアクセサリーが多いことにあとになって気が付くこともある。

 いまでもバラバラに選ぶことができるのだが、セットが用意されるのが現在の主流となっているのである。

 もちろん、セールスマンはこちらの指示に基づいて計上しているので、たとえセットであろうが問題はない。買う側は「新車を買う」という高揚感もあり、どんぶり勘定になりがちになってしまうことも多いのである。筆者も仕事のときは「あとで削ればいい」としてオプションは盛り気味にすることにしているのだが、これも本契約へ向けたシビアな商談になった際に用品を削っていくと、自ずと支払額が減っていくので、実際以上に値引きに成功しているという勘違いに陥りやすいので注意が必要だろう。

 サイドバイザーは「つける」、「つけない」がわかれる装備でもあるが、フロアマットは新車を買う人ならば、「純正を」ということで多くが選ぶことになるだろう。ちなみに、アメリカではいまや新車に標準装備されるのが当たり前となっている。アメリカ在住の事情通からは「日本はいまでもオプションなのですね」と言われたことがある。日本でもレスオプションを設定して標準装備にしてもいいように思っている。

焦って選ぶとろくなことにならない

 フロアマットなどの定番以外にも、ディーラーオプションと呼ばれる用品の種類は車種を選ばず多く用意されている。これだけ多い種類のなかで、新車購入商談という限られた時間のなかで選択していくのは至難の業ともいえよう。

 なお、気の利いたセールスマンならば、「ご納車後も装着できるものもありますので」と案内してくることもある。人気が高く、納車まで時間のかかる人気の輸入車ではとりあえず納車が確定になった時点で、アクセサリー類は最終決定してもらうことにしていると聞いたことがある。日本車でも「契約時に決めないと」と焦れば焦るほど、本来はそれほど必要のないものまで装着してしまうことがあるが、あと付け可能なものは落ち着いて判断するのがいいだろう。

 ただし、メーカーオプションはそういうわけにはいかない。車両生産工場でのみしか装着できないものばかりなので、商談時の選択決定が要求される。たとえば日産ノートではプロパイロットがメーカーオプションとなっている。「いまどきの日産車だからなあ」などと思い、将来売却するときのことも考えればマストアイテムなのかなと思いがちだが、セットオプションということもあり、かなり高額になっている。

 なお、話を聞くと実際それほど装着率は高くないとのこと。「セカンドカーとして、生活圏内の街乗りメインで乗るケースも多いので、『なぜ自慢のメカニズムがオプションなんだ』と思う人もいるかもしれませんが、ノートについてはオプション扱いは正解なのかもしれません。たしかに一般道路での使用メインならばそこまで高額なオプションを選択する必要はないですし、将来的な売却時にもそれがあるのかないのかで極端に売却価格に差が出ることもないでしょう」とは事情通。

 一部オプションカラーや、サンルーフなど売却時に大きく差がつくメーカーオプションもあるが、メーカーオプションの多くはそれほど売却価格に差をつけることはないもののほうが多いようである。

 自分にとって必要なオプションやアクセサリーは何か、あまり余計なことを考えずに、セールスマンのアドバイスなどを聞きながら選ぶことが結果的に失敗しないオプション選びにつながるのである。