10月11日から佐賀県で初めてのお一人での地方ご公務にのぞまれる愛子さま /(C)JMPA

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「国民スポーツ大会の開催にあわせて、愛子さまは10月11日から1泊2日で佐賀県を訪問されます。陸上競技や柔道を観戦されますが、“愛子さまを間近で拝見したい”と、それらの競技の観戦希望者も激増しているそうです」

そう語るのは皇室担当記者。

学習院大学を卒業されてから約半年、国民からの愛子さまへの期待は高まるいっぽうだ。

皇室番組を長年手がけてきた放送作家・つげのり子さんもこう話す。

「豪雨被害があったことで中止になりましたが、愛子さまは初めてのお一人での地方ご公務として、石川県の被災地を視察される予定でした。このご判断からは、これまでの内親王方よりもさらに強い積極性が感じられました。

私は愛子さまの初めての海外公式ご訪問はブラジルになるのではないかと考えています。

来年’25年は、日本とブラジルが正式に国交を結んでから130周年という節目の年にあたります。

また天皇陛下、秋篠宮さま、黒田清子さんのお三方の初めての海外公式ご訪問はブラジルだったのです。それは上皇ご夫妻が長年、現地の日系人にお心を寄せてこられたからですが、両陛下もその思いを受け継いでいらっしゃいます。愛子さまのブラジルご訪問も後押しされるのではないでしょうか」

だがそうした愛子さまへの期待とは裏腹に、宮内庁は新しいご公務を増やすことを躊躇しているという。宮内庁関係者によれば、

「現行の皇室典範では女性皇族方は結婚されると皇室から離れられます。たとえ愛子さまにふさわしい新しいご公務の要請があったとしても、ご結婚により数年後には継続できなくなるというケースも想定されるのです。

ご公務の担い手である皇族方の減少、さらに将来、皇位継承者がいなくなることで皇室の維持ができなくなるといった問題は“喫緊の課題”とされながらも、いまだに対応策すら決まっていません。

今年5月から皇族数確保のための与野党による協議が始まり、結婚後も女性皇族の身分が保持されることで各党がほぼ一致したとされていますが、配偶者や子の身分はどうするのかという問題についての意見はさまざまです。

新政権を発足させた石破茂総理が強力なリーダーシップを発揮することが必要ですが、自民党内での基盤は脆弱です。皇族数確保の問題がまた棚上げされてしまうのではないかと憂慮しています」

■注目されている愛子さまのご進講出席

そんな状況のなかで、宮内庁内では“愛子さまの覚醒”が注目されているという。

「宮中祭祀に熱心に取り組まれている愛子さまですが、最近は歴代天皇の式年祭の前に行われる、ご事蹟(事業や功績)についてのご進講も、両陛下とごいっしょに受けられているのです。

7月19日に『後宇多天皇ご事蹟』、8月8日に『平城天皇ご事蹟』、9月6日に『懿紱天皇ご事蹟』と、日本赤十字社に毎日出勤されるなか、3カ月連続でご進講を受けられていたのです。これは異例のことで、上皇ご夫妻の長女・黒田清子さんも、内親王時代にご進講を受けていたとは聞いたことがありません」(前出・宮内庁関係者)

いちばんの帝王教育とは、天皇陛下のおそばで、そのお考えや行いを学ぶことだといわれている。

「そういう意味では、愛子さまは幼いころから帝王教育を受けてこられたといえるでしょう。さらに自ら望んで、歴代の天皇のご事蹟を学ばれるのは、“帝王修行”ともいうべきものといえます」(前出・宮内庁関係者)

愛子さまの“帝王修行”について静岡福祉大学名誉教授の小田部雄次さんは次のように語る。

「ご結婚により降嫁されるのか、ご結婚後も皇室に残られるのか、それとも多くの国民が望んでいるように皇位を継承されるのか……愛子さまはご自身の将来をお決めになることはできません。

それにもかかわらず、愛子さまは能登半島で被災者を励まそうとされたり、歴代天皇の事蹟を学ばれたりしているのです。どのような立場になっても、天皇家のご長女としての責任を果たすというご覚悟が伝わってきます。

それは国民に対してだけではなく、皇統の維持のために打開策を模索する任を負っている政権へも示されているように思われます」

それにしても、安定的な皇位継承に向けた与野党の協議は、今後どのような展開を見せるのだろうか。神道学者で皇室研究者の高森明勅さんは次のように語る。

「石破新総理も立憲民主党の代表に就任した野田佳彦元総理も、皇室の課題については、知識も関心もあります。与野党の協議が停滞していた状況に比べれば、2人がそれぞれの党のトップになったことで、合意に向けての話し合いができる環境へ前進しているといえると思います」

首相は総裁選前の共同記者会見で、女系天皇の可能性を排除しない立場を一時は示している。

「10月27日の総選挙で、自民党が大敗せずに、石破総理が求心力を維持することができれば、相対的に女性宮家に反対する勢力が弱まることになります。

また野田代表は、かねて女性天皇を容認しています。泉健太前代表のもとでは、女性皇族が結婚後も皇室にとどまった場合に、配偶者や子を皇族にするかどうかという問題に対して曖昧な姿勢でした。しかし野田代表は、配偶者も子も皇族にすべきと明言しています。

きたる総選挙期間中に国民から女性天皇や女性宮家を望む大きな声が上がれば、それは国会の議論にも大きく影響していくことでしょう」(前出・高森さん)

“どのような運命でも受け入れる”というご覚悟を示されながら、愛子さまは国民や政治家たちの決断を待ち続けておられるのだ。