プライム・ストラテジーは10月9日、CMS高速運用基盤「KUSANAGI」について、セキュリティ対策を強化したエディション「KUSANAGI Security Edition」(仮称)の開発・提供を行うと発表した。同日、パートナープログラムの改定も発表された。

代表取締役の吉政忠志氏は、今回の発表の狙いについて、次のように説明した。

「WordPressはカスタマイズしているとバージョンアップが難しい。そこで、Security Editionは自動アップデートなど、セキュリティ関連の機能を強化している。また、KUSANAGIの導入は制作会社、インテグレーターが担当していることが多く、パートナーを支援するためプログラムを刷新する」

プライム・ストラテジー 代表取締役 吉政忠志氏

○「KUSANAGI Security Edition」の特徴

「KUSANAGI Security Edition」は、セキュリティに特化したCMSの運用環境として、企業やCMS・Webシステムの構築運用を提供するSIer・制作会社等など標準的に選択される基盤となることを目指している。

執行役員の相原知栄子氏は、「KUSANAGI Security Edition」を提供する背景について、次のように説明した。

「現在、ランサムウェアの脅威が高まっているほか、攻撃が開始されるまでの期間が短くなっている。また、『どこまでセキュリティ対策を講じればよいかわからない』『アラートが多く、どれに対応すべきかわからない』といった課題もあり、セキュリティへの対応が事業活動を圧迫している。KUSANAGI Security Editionはこうした課題を解決する」

プライム・ストラテジー 執行役員 相原知栄子氏

KUSANAGI Security Editionは、OSやミドルウェアなどの自動アップデート機能を提供することで、運用コストを削減する。 アプリケーションに影響の少ないアップデートの自動化を提供し、AIによるテスト、巻き戻し(レポーティング)機能の提供とともに適用範囲を広げていく予定。

また、複数のOSやクラウドで統一したセキュリティ基準の適用と運用を実現する。対応するOSをRed Hat系のLinuxに拡大し、オンプレミス環境へ提供することも計画している。

加えて、KUSANAGI Business Editionで提供しているリスク分析機能「KUSANAGI Analyze」のセキュリティ監査機能を強化し、具体的な指示を提示するレポーティングを提供する。アラートを送信するための機能も提供が予定されている。

さらに、既存の運用フロー、レポーティングツールとの連携や自動化を実現するため、APIを提供する。

「KUSANAGI Security Edition」の特徴

12月にリリースされる初版では、マルウェア対策機能、IP制限・Basic認証、ミドルウェア・OSの自動アップデート、監査・レポーティング機能を提供する。

「KUSANAGI Security Edition」の開発ロードマップ

○新パートナープログラムの概要

新パートナープログラムにおいては、3つのプログラムグレードが新設され、パートナーシップの協業度合いに応じて支援が行われる。

「プライム・ストラテジー・プラチナパートナー」は共同営業目標により、全面的に支援する。「プライム・ストラテジー・ゴールドパートナー」は年間の共同マーケティング計画の策定による案件獲得支援をする。「プライム・ストラテジー・ シルバーパートナー」は案件ベースの支援を行う。

吉政氏は、パートナープログラムを改定した背景について、「WordPressをカスタマイズして利用している企業が多く、それによりバージョンアップが滞る場合があり、セキュリティ対策とマネージドサービスの必要性が増している。そこで、KUSANAGI Security EditionやWordPress簡易脆弱性診断サービスなどのセキュリティソリューションを多くのパートナーに取り扱ってもらえるよう、パートナープログラムを刷新した」と説明していた。

プライム・ストラテジーの新パートナープログラムの概要