NY市場では、ドル円が大きく下に往って来いとなった。 午後にFOMCの結果が公表され50bpポイントの大幅利下げとなった。発表直後のドル円は142円ちょうど付近から140.50付近まで急速に下落。ただ、パウエル議長の会見が始まると今度はその下げを急速に取り戻し142円台半ばまで買い戻されている。ドル円はFOMCの結果とパウエル議長の会見を受けて上下動したものの、基本的に方向感は見い出せていない。声明ではインフレの落ち着きに確信が強まったとし、雇用に軸足を移す姿勢が示されていた。FOMC委員の金利見通し(ドット・プロット)では、中央値からは年内あと計50bp、来年は計100bpポイントの利下げを見込んでいる。パウエル議長の会見では、インフレに勝利宣言をする状況ではなく、利下げを急がない姿勢を強調したことから、米国債利回りの上昇と伴にドル円も急速に買い戻されたようだ。ユーロドルはFOMC後に1.11台後半まで上昇も、その後は1.11ちょうど付近に戻した。ポンドドルも一時1.33近辺まで上昇したあと、1.31台後半に反落した。 

(19日)
 東京市場では、ドル円が上下動。前日のNY市場でパウエルFRB議長が利下げを急がない姿勢を示してドル高となった流れを引き継ぎ、前日終値と比べて1.5円以上のドル高円安水準となる143.95付近まで一時上昇。米10年債利回りが一時3.73%台まで上昇したことや、日経平均が一時1000円超の大幅高となったこともドル買い・円売りを支えた。しかし、144円台手前では上値を抑えられ、午後に入って142円台半ばと、きょうの高値から1円以上押し戻される荒い値動きとなった。クロス円も同様に高下している。ユーロ円は午前に一時159.42付近まで、ポンド円は一時189.42付近まで上昇し、ともに6日以来およそ2週間ぶりの高値を更新した。午後は上げが一服している。ユーロドルは下に往って来い。1.1069付近まで下落も、その後は1.1134付近まで反発。

 ロンドン市場では、円安とドル安の動きが広がっている。東京市場では円安から円高に振れる激しい振幅にがみられたが、ロンドン時間に入ると欧州株や米株先物・時間外取引の上昇とともに、ドル円やクロス円が買われ、ドルストレートはドル安に傾いている。前日の米FOMCでの50bpの大幅利下げに素直に反応している。また、この日の英金融政策委員会(MPC)では大方の予想通り政策金利が5.00%に据え置かれた。8対1での据え置き決定で、ディングラ委員のみが25bp利下げを主張した。声明では「あまりに速く、または過度に利下げしないことが重要」としており、米国などと比較すると慎重な利下げ姿勢が示された。発表後にポンドは一段と買われている。ドル円は142円付近から143円台へ、ユーロ円は158円台から160円近くへ、ポンド円は188円台から190円台へと上昇。ユーロドルは1.11台前半から後半へ、ポンドドルは1.32台前半から一時1.33台乗せまで買われている。

 NY市場では、リスク選好の雰囲気の中、ドル円が方向感なく上下動している。143円台後半で上値を抑えられる一方、142円台半ばでは下支えされている。市場では前日のFRBの大幅利下げを再評価する動きが出ていた。前日はパウエル議長が利下げを急がない姿勢を強調したことからドル買いも見られていたが、今後の利下げが米経済を景気後退から守るというソフトランディングへの楽観的な見方に繋がっていたもよう。市場にはリスク選好の雰囲気が広がっていた。ユーロドルはNY時間に入って伸び悩む場面もみられたが、1.11台はしっかりと維持した。ポンドドルは1.33台まで買われたあと、NY時間に入ると伸びを欠いた。きょうは英中銀が政策金利を据え置いた。英中銀の声明からはハト派な雰囲気は全くない。ベイリー総裁のコメントは十分に長く景気抑制的な政策を続けることの必要性を強調しており、大半の委員は漸進的なアプローチが必要とみなしていた。