「逆風続き真実を語っても通らない」塩谷立議員が次期衆院選不出馬を正式表明 政界引退へ=衆院静岡8区
自民党派閥の裏金問題をめぐり、自民党を離党した塩谷立衆議院議員が次の衆院選には出馬しない考えを2024年9月10日、正式に表明しました。
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これで政界引退となりますが、古巣に対しては生まれ変わってほしいと述べています。
<塩谷立衆院議員>
「私は今季限りで議員生活を引退します。次期衆院選には出馬しません。今回決断して発表しました」長年所属した自民党を離れてからおよそ4か月半。今度は政界からも身を引くことを発表しました。
浜松市を地盤とする塩谷立衆議院議員が先ほど記者会見を開き、次回の衆議院選挙に出馬しないことを明言しました。
<塩谷立衆院議員>
「残念ですよ、くやしい」父親の地盤を引き継ぎ1990年の衆院選で初当選を果たした塩谷議員。
2008年には麻生内閣で文部科学大臣に就任するなどキャリアを積み重ねてきました。2023年8月には安倍派のトップ・座長に就任。これが後に自らを窮地に追い込むことになります。
2023年12月、自民党派閥の裏金問題をめぐり、東京地検特捜部が安倍派の事務所などに家宅捜索を実施。この問題をめぐり安倍派の座長だった塩谷議員は、責任を取らされる形で自民党を離党することになりました。
<塩谷立衆院議員>(2024年4月)
「今後は無所属の議員として改めて、国のため地域のため国民のために努力をしてまいりたいと思っている。正しいことを、言うべきことを言って、政治活動を続けてまいりたい」離党後も次の衆院選に出馬する考えをたびたび示していた塩谷議員でしたが、身を引くことを決心した理由は次のように説明しています。
<塩谷立衆院議員>
「選挙の厳しい状況等を考えると、せっかく30年積み上げたものを後継に委ねて、次につなげる判断をすべきだという意見を多々いただいて。いま逆風がまだまだ続いているような状況ですから、それを乗り越えるべく環境に全くない。私どもが真実を語っても残念ながら通らない、なかなか伝わらない。そのような状況も踏まえて今回の判断をした」9月10日の会見では報道陣から裏金問題への質問が相次ぎましたが、自らは説明を尽くしたとした上で自民党はもっと早く問題の解決をきちんと図るべきだったと強調しました。
<塩谷立衆院議員>
「いま裏金議員が何とかとか言ってること自体が、誠に残念。なんであの時そういう議論をしなかったのかと思います」自民党の総裁選では裏金問題への対応が一つの争点になっていますが、塩谷議員は古巣に対し信頼を回復できる党に生まれ変わってほしいと述べています。