なぜ高速道路に「逆走車」現れる? 死亡事故も発生…  誤進入で“無理やりUターン”が絶対ダメなワケ

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どこで逆走が起きやすい? 対策は?

 高速道路事業者の努力もあって年々減少傾向ではありますが、たびたび発生するのが「逆走」です。
 
 高齢ドライバーによる逆走がニュースになりますが、いつ自分が誤って逆走してしまうか分かりません。

逆走は非常に危険な行為!

 とくに高速道路での逆走は、走行スピードも速く、死亡事故にもつながる危険な行為。2024年8月15日朝には東北自動車道で逆走が発生し、死傷者が出る事故に発展しました。

【画像】「えっ…!」これが「逆走」が発生する理由です!(17枚)

 一体なぜ逆走が起きてしまうのでしょうか。

 国土交通省の調べでは2017年から2022年の逆走発生件数は年間で約190件、つまり2日に1回はどこかで逆走が起きていることになります。

 そのうち約2割が事故を起こし、死傷者が出る重大事故も毎年発生しているのです。

 高速道路を管理するNEXCOの調べによると、逆走が起きやすい箇所の筆頭は料金所やETCゲートが設置されたインターチェンジ(IC)、または違う路線の高速道路をつなぐジャンクション(JCT)だといい、逆走全体の6割がICかJCTで発生しているとのこと。

 逆走したドライバーの年齢を見ると、約半数が65歳以上の高齢ドライバーと呼ばれる人たち。また、そのうち75歳以上が48%を占めるという結果もあり、残念ながら高齢ドライバーによる逆走は多いと言わざるを得ない状況です。

 逆走には、自分が逆走していることを認識しつつ走行する「故意」によるものと、逆走になることを認識せずにそのまま走行する「過失」によるものがあります。

 そして、事故を起こしたりして身柄を確保されても、逆走した事実を認識できていない「認識なし」が多くなっているのも、高齢ドライバーの運転が問題視される原因になっています。

 ただし、運転操作に問題がないはずの65歳以下のドライバーが逆走するケースが約3割もあるという点も注意すべきポイントでしょう。

 NEXCOでは、高速道路で目的のルートを通り過ぎてしまったことをリカバリーするために逆走してしまうケースが多く、目的のICの通過やJCTにおける分岐の間違いに気付き、Uターンして本来のルートに戻ろうとしてしまうことが原因となっていると分析しています。

 実際、「本線合流時に行き先の間違いに気付いて本線をUターン」や「目的のIC出口を通り過ぎてIC入口から逆走」、「料金所(ETCゲート)を通過後に出口車線を逆走」といったケースが多いようです。

 また、意図せずにICへの道に侵入してしまい、料金所手前で無理やりUターンするケースも意外に多いと報告されています。

 NEXCOをはじめとする高速道路事業者は、ICやJCT周辺にラバーポールや大型矢印標示の設置、音や光による注意喚起設備の設置など対策を施してきました。

 そのおかげで逆走は減少傾向ではありましたが、全体的に見ると横ばい状態。

 では、逆走の原因のひとつである、目的のICを通り過ぎてしまった場合はどうすればいいでしょうか。

 NEXCOによると、「無理せずに次のICまで走行していただき、乗り過ごしてしまった旨を料金所のスタッフに申告してもらえれば、目的のICまでの戻るルートをご案内します」とのこと。

 また、「IC出口への誤進入」については、特に悪天候時は標識を見落としやすかったり、右折した先のIC出口で発生しやすいとのデータもあるので、「逆走しやすい状況や箇所」として認識し、注意しながら走行したいところです。

 それでもうっかり進入してしまい、途中で気がついた場合は、すぐにハザードを点灯し路肩に停車。自分で「110番」か「道路救急ダイヤル(#9910)」に通報し指示を仰ぐのが正しい行動です。

 ちなみに高速道路の逆走は「通行区分違反」となり、違反点数2点と9000円(一般車)の反則金が科されます。

 誤進入を防ぐためには、路面標示や進入禁止の看板や警告表示などを見落とさないように注意しながら走行しましょう。