ホアキン・フェニックス、撮影直前にドタキャン 男性同士の恋愛映画への出演を取りやめる
ホアキン・フェニックスがトッド・ヘインズ監督作への出演を撮影開始5日前に取りやめていたことが明らかになった。エンタメサイト「インディワイヤー」などが伝えている。
ヘインズ監督は2015年の映画『キャロル』で女性同士の恋愛を描いて高い評価を得ているが、今回の作品は男性同士の恋愛映画。1930年代を舞台に恋人と共にメキシコに逃げる男性を描いた物語。フェニックスはヘインズ監督と共に脚本も共同執筆していた。撮影は7月初めから開始する予定で、ヘインズ監督はロケ地のメキシコのグアダラハラにすでにスタッフたちを集めて準備していたが、フェニックスは撮影に現れなかった。
フェニックスがドタキャンした理由についてはまだわかっていない。関係者によると作品の資金を調達できるかどうかはフェニックスが出演するかどうかにかかっているという。ヘインズ監督は昨年のカンヌ国際映画祭で「ホアキンは『いや、もっとやろう』と私を追い込んできた。これはNC-17(18歳未満は鑑賞禁止)の映画になるだろう」とコメント、フェニックスが同性の恋愛関係をより赤裸々に描くことに熱心だったことを示唆していた。また監督は彼の最新作『メイ・ディセンバー ゆれる真実』のPRツアーの中でもフェニックスとの作品についても言及。「この映画はすべてホアキンに促されたものだ。彼の大胆さ、壁を突き破りたいという願望、この関係について不安な域にまで入り込みたいという欲求によって促されたものだ。それでいて制作過程はとてもオーガニックに感じられた」。
このニュースにフェニックスやヘインズ監督はまだ何もコメントしていない。しかしヘインズ監督の長年のコラボレーターで、この作品の製作にも関わっていたプロデューサーのクリスティーン・ヴェイコンはフェニックスのドタキャンについて認めている。Facebookに「悪夢のような出来事だった」と投稿、「そしてお願いがある。もしあなたが『ストレートの俳優を起用したからこうなったんだ』と私たちを諭したくなったとしてもそれはやめてほしい。これは彼が私たちに持ち込んだプロジェクトだった」と書いている。この投稿はその後削除されている。報道によるとフェニックスがキャンセルした今、プロジェクトは完全に頓挫。映画はお蔵入りになると見られている。