排卵障害見つかった衛藤美彩「不妊治療のつらさを夫が一番受け止めてくれた」源田選手との結婚生活を振り返り

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2019年に乃木坂46を卒業後、埼玉西武ライオンズの源田壮亮選手と結婚し、野球選手の妻となった衛藤美彩さん。不妊治療を経験し2022年に第1子、2023年に第2子を出産し現在2児のママとして子育てに奮闘中です。衛藤さんに結婚から出産までのお話を伺いました。(全5回中の4回)

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最初はかなりの塩対応でした

── 夫・源田壮亮選手との出会いについて教えてください。

衛藤さん:小さい頃から兄と弟が野球をしていました。野球に多少詳しかったこともあり、乃木坂46時代にスポーツ関連の仕事をやらせていただくことが多かったんです。そのひとつとして、CSフジテレビONE「プロ野球ニュース 2018」の月曜日キャスターをやらせていただくことになりました。

夫の源田壮亮選手と

セカンドとショートのことを守備番号で言うと「4」(二塁手・セカンド)と「6」(遊撃手・ショート)なのですが、「46」にかけて二遊間の選手にインタビューに行くことになり、一回目に登場したのが夫だったんです。番組スタッフの方も、私が1回目で緊張するだろうから、話しやすそうな同学年の同郷の選手を、と配慮してくれたようです。

── 源田選手も衛藤さんと同じ大分出身ですよね。インタビューでは実際話しやすかったのですか?

衛藤さん:それが、最初は全然目を見てくれず、かなり塩対応でした(笑)。「私、何か気に障ること言ったかな?」と思うくらいぶっきらぼうな印象で。第一印象では「愛想がないな」と思うほどだったんですよ。同郷のお友達が東京に多いのですが、その後は、同郷のお友達としてお互いの活動を応援していたと思います。大分から東京に出てきていて同期生となると、中学校にお互いの知り合いがいたり、共通の友人も多かったですね。

── 最初の塩対応から結婚までのプロセスが気になります。

衛藤さん:乃木坂46を卒業したときに、「実は…」と思いを伝えられたんです。正直びっくりしました。もちろんこれまで友人として彼を知り、人間として素敵だなというのはわかっていたので、「そういってくださるなら…」とつき合うことに。

急きょ決まった「夫と母の初対面」に気もそぞろ

── 結婚の話が出たとき、ご両親の反応はいかがでしたか?

衛藤さん:母は「野球選手のサポートはとても大変だと思うけど、美彩はそれでいいの?」と。母としては東京に送り出したのは私が輝くためで、やりたいことがやれなくなるのではないかと心配していました。

そんなとき、母が東京に来るタイミングがあり「3人で会いましょう」となったんですけど、私は仕事が入ってしまい。キャンセルしようとしたら、彼が「僕は美彩がいなくても会うよ。美彩のお母さんだから」と、初対面なのに尻込みせずふたりでも会うと言い出して。それを聞いた母も「え?それはただ者ではないわね!」と言うので、私抜きで謎にふたりだけで会うことになったんです(笑)。

お母さんからは「ただ者ではない!」と

きっと母は、どんな思いで娘を東京に出したかなど、いろいろ想いを伝えたり、面接のように相手に質問したと思いますけど、彼の人となりを知って気に入ったようでした。私はふたりがどうなったか気もそぞろで、仕事が終わって合流したのですが、母は「源田くん、素敵な子ね」って。彼の実家も大分で、実家同士も近所というのも安心したところだったと思います。

ふたり目も不妊治療を経験し

── 衛藤さんは不妊治療をされたと聞きました。その経緯をお伺いしてもよろしいですか?

衛藤さん:夫のチームメイトにはお子さんがいる方が多く、夫も私もなるべく早いタイミングで授かれたらという希望がありました。妊活の雑誌を見て「1年妊娠ができなければクリニックに行ってみて」と書いてあり、受診することにしたんです。すると私に多嚢胞性卵巣症候群という症状が見つかり、排卵障害があることがわかりました。

治療についてはセンシティブな内容なので周りには話せませんでした。母は自然妊娠で3人産んでいたので、「いつか自然にできるんじゃないの?」という考え方でしたから、最初は相談できなくて。治療は痛いし、お金もかかる。治療したからといって、必ず妊娠する保証もない。終わりの見えない治療はなかなか理解されづらい。そんなつらい状況のなか、私の気持ちを誰よりしっかり受け止めてくれたのは夫でした。妊娠って、最後は運というか、自然の摂理というか。だから最後は自分を信じるしかない。最終的にはそんな心境になりました。

先生と相談して治療をはじめ、私の場合は2回目の体外受精で長男を授かりました。そのときは心の底から嬉しかったです。

不妊治療の末お子さんを授かった

── 排卵障害発覚のショックやつらい治療も乗り越えて授かったときはお二人の喜びもひとしおだったことと思います。

衛藤さん:私は幸い2回の体外受精で授かりましたが、もっと多くの回数トライされている方もたくさんいらっしゃいます。不妊治療のつらさは自分も体験しているのでわかるのですが、「2回でできたんだからいいよね」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

同じ状況のつらい気持ちがわかるだけに、発信者としては公表を悩むところがありました。ですが、見方を変えれば、2年、3年と妊活していてもできない人がクリニックに行くことで「治療という道があるかもしれませんよ」ともいえます。そのことを私の経験を通して知ってもらえたら、という思いでいます。

私の場合、ふたり目も不妊治療をしました。こちらも2回目の体外受精で授かりましたが、それまでに2回切迫流産もして、本当につらい思いも経験しました。何度泣いたかわからない過酷な妊娠生活でした。でも、息子や娘に会えた今は、本当に2人に会えてよかったという今に感謝する思いでいっぱいです。

PROFILE 衛藤美彩さん

えとう・みさ。1993年生まれ。大分県出身。乃木坂46の一期生として活躍。2019年には卒業でのグループ初となるソロコンサートを開催し注目を集めた。同年に埼玉西武ライオンズの源田壮亮選手と結婚。2022年に第1子、2023年に第2子を出産。現在子育てに奮闘する2児のママとしてSNSやYoutubeチャンネルで日々の様子を発信中。

取材・文/加藤文惠 画像提供/衛藤美彩