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いつもはエログロ、ユーモアたっぷりの「ザ・ボーイズ」だが、シーズン4第5話『ジャバウォックに気をつけろ』のラストではしんみりするような一幕が訪れた。劇中のあるキャラクターにとっては、人生最大の試練にもなったであろう。

ショーランナーのエリック・クリプキは同シーンをめぐる決断について、「別れを告げる時だった」と語っている。本記事では、物語を簡単に振り返りながら、シーンに込められた想いを探っていく。

この記事には、「ザ・ボーイズ」シーズン4第5話『ジャバウォックに気をつけろ』のネタバレが含まれています。

この記事には、「ザ・ボーイズ」シーズン4第5話『ジャバウォックに気をつけろ』のネタバレが含まれています。

© Amazon MGM Studios 「ザ・ボーイズ」シーズン4、サイモン・ペッグ演じるヒューイの父の死

「ザ・ボーイズ」シーズン4第5話『ジャバウォックに気をつけろ』では、脳卒中で倒れ植物状態にあったヒューイ(ジャック・クエイド)の父、ヒュー・キャンベル(サイモン・ペッグ)が奇跡の生還を果たす。父親を生き返らせようとヒューイが隠し持っていたコンパウンドVを、ヒューイの母・ダフネ(ローズマリー・デウィット)が密かに注入していたのだ。

すっかり元気な姿に戻ったように思えたヒューだが、ダフネがトイレに行っていたことを忘れるなど、異変が生じ始める。そしてある時、ヒューイとダフネの目を盗んで病室から脱走。2人が病院内を探し回っていると、別室にいた患者らしき人物を殺害していた。

どうやらヒューはコンパウンドVの副作用により認知機能に異常をきたしていたようだ。殺した相手の心臓を鷲掴みにしたままその場を動かないヒュー。「何が起きたのかわからない」と混乱し、なだめようとする息子のヒューイすらも認知できない状態になっていた。

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看護師が現場にやってきた途端、パニック状態となったヒューは薬の力で得た能力を使って部屋の壁をすり抜け、逃走。逃げている途中で別の患者を殺めてしまい、さらに混乱してしまう。ヒューイとダフネが廊下でヒューを見つけると、ヒューはなぜか過去の記憶を持ち、幼いヒューイを残して家を出たダフネに激怒。別室に逃げ込んだヒューイとダフネを追い詰めた。

ダフネに手をかけようとするヒューの前にヒューイがすかさず割り込む。「僕のヒーローは父さんだ」とこれまで伝えられずにいた想いを伝えると、ヒューは本来の姿を取り戻した。依然としてパニック状態のヒューに、ヒューイは「僕が止める」と言って覚悟を決める。ヒューイとダフネはヒューを永遠の眠りにつかせる前、最後の言葉を告げる。そしてついに、ヒューは静かに目を閉じるのだった。

「ザ・ボーイズ」史上最もエモーショナルと言えるかもしれない同シーンについて、ショーランナーのエリック・クリプキは米とのインタビューで「心が痛むことですが、多くの人が直面しなければならないことでもあります」と語っている。その発言にはいったいどんな真意が隠れているのだろうか。

「親が私たちの面倒を見ていた時から、今度は私たちが親の面倒を見るようになる時があります。それはとても普遍的なことです。ほとんどの人が、いずれ直面することになることです。

今シーズンのヒューイにとって、色々な意味で彼は本当に成長しなければいけません。彼はいつもチームの中で若いガキのような存在でしたが、この(父親との)物語で、どのキャラクターよりも成長することになると言えるでしょう。なので、病気の親と向き合い、事実上、超強力なバージョンの認知症を持つ親と向き合うことは、正直で、胸を締め付けられるようなもので、彼が少年から完全に大人の男になるために必要なことだったと思います。」

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そんな親子の物語では、コミカルな演技で定評のサイモン・ペッグによる熱演が光った。ヒューを殺すことに後悔はなかったのか?と聞かれたクリプキは、「サイモン・ペッグが本当にいい俳優だということは知っていました。あのシーンでの彼の素晴らしさに驚かされたわけじゃありません」としながら、「(後悔は)ありません」と回答。「その時が来たんです」と決断に迷いはなかったことを強調している。

「サイモンは毎回とても楽しませてくれますし、僕たちはこの経験を通して友達になりました。とても大好きな方です。でも、ヒューイというキャラクターにとって必要なことだったと思いますし、ヒュー・シニアに別れを告げる時が来たんだと思います。」

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「ザ・ボーイズ」シーズン4は第1~5話までPrime Videoで独占配信中。 

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