名城信男・近大ボクシング部監督(中央)にベルト獲得を報告した西田凌佑(左)。右は沙捺夫人

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 ボクシングのIBF世界バンタム級王者・西田凌佑(六島)が17日、東大阪市の母校・近畿大学を訪問、ベルト獲得を報告した。

 西田は在学時は体育会ボクシング部に所属、卒業後はいったん一般企業に就職したものの、ボクシングへの熱意を断ち切れず六島ジムに入門してプロデビューした。5月に王者エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)に判定勝ち、9戦目で世界タイトルを奪取した。

 近大ボクシング部の同期でもある沙捺夫人とともにボクシング道場を訪れ、「懐かしいですね。ここで強くなったな、しんどかったなという思い出がよみがえってくる」と述懐した。近大では4年時にリーグ優勝という目標は達成したものの、1年の時にはケガをするなど不完全燃焼の時期も長かったという。

 元WBA世界スーパーフライ級王者で六島ジムの先輩でもある名城信男・近大ボクシング部監督は、「正直、大学時代はあまり光るところがなかった。でも、学生時代の悔しさがあったからこそ、プロに入ってから強くなれたと思う。下半身が安定してきたし、何よりもパンチをもらわないのが強み。これからタイトルと家族を守っていってほしい」とエールを送った。

 所属ジムの枝川会長によると、初防衛戦になる次戦は年内開催へ向けて調整中。バンタム級は西田を含めて、WBAが井上拓真(大橋)、WBCが中谷潤人(M・T)、WBOが武居由樹(大橋)と日本人選手が4団体のタイトルを独占。統一戦への機運が高まっているが、枝川会長は「相手がこっちに来てくれれば」と関西圏での開催は譲らない構えだ。

 また、近畿大学記念会館での開催プランも浮上。実現すれば1983年7月のブルース・カリー−赤井英和戦、また87、88年にも井岡弘樹が世界戦を行っており、それ以来となる。約1万人の観衆を収容可能で、西田も「モチベーションが上がりますね」と母校での凱旋マッチへ期待を込めていた。