「事件が起きて、息子から『開いた口が塞がらない』とLINEが来ていました……」

【画像】「#出所祝い」が記され…タイトなワンピースでTikTokダンスを踊る内田梨瑚容疑者(21)

 4月19日に殺害された村山月さん(むらやまるな、17)の中学の同級生の父親は、そう呟き肩を落としたーー。

わいせつ行為を行い、命を奪った

 6月12日、殺人の容疑で北海道警に再逮捕されたのは旭川市の無職・内田梨瑚容疑者(21)とA子容疑者(19)。社会部記者が解説する。

「4月19日、両容疑者は旭川市の渓谷『神居古潭(かむいこたん)』の神居大橋から村山さんを10メートル下の石狩川に突き落とし、溺死させた疑いがもたれている。22日、村山さんが帰らないことを心配した家族が行方不明者届を提出。5月下旬に下流で遺体となって発見された」


両容疑者は旭川市の渓谷『神居古潭』の神居大橋から村山さんを10メートル下の石狩川に突き落とした ©文藝春秋

 内田と村山さんに面識はなく、犯行直前に初めて対面。村山さんが住んでいた留萌市から約60キロ離れた旭川市に車で連れまわした。道中寄ったコンビニで逃げようとした村山さんに暴行を加え、他の16歳のB、C子らと共謀して監禁。内田を筆頭としたグループで村山さんにわいせつ行為を行い、挙げ句の果て、命を奪ったのである。

 その後、内田らは村山さんの衣類を現場付近に捨て、複数の友人に「村山さんに謝らせて、その後本人は帰って行った」などとメッセージを送り、隠蔽工作を図ったとみられている。

「BとC子は監禁容疑で逮捕されていますが、橋上から村山さんを突き落としたのは内田とA子。特に首謀者と目される内田は4月から5月にかけて不同意わいせつ、監禁、恐喝の疑いで逮捕され、ついに今回、殺人の容疑をかけられた。内田は『村山さんに自分の写真を勝手に使われた』と話しており、その解決金として村山さんに10万円分の電子マネーを送金させようとしたところ、失敗したため留萌市内の道の駅で待ち合わせ、そこから犯行に及んだとされています」(同前)

身勝手すぎる言い分で“SNSトラブル”に…

 内田は警察に対し「言葉遣いが気に食わなかった」とも供述。村山さんは身勝手すぎる言い分で“SNSトラブル”に巻き込まれ、命を奪われてしまった。

 村山さんが生まれたのは北海道北西部に位置する羽幌町。札幌市から車で3時間ほどの小さな町は、甘エビの漁獲量日本一であることで知られる。

 村山さんの両親の友人が語る。

「月ちゃんの父親は羽幌で漁師をやっていて、稚内の近海を中心に漁船の乗組員として働いていた。多趣味な人で、自転車に乗ったり筋トレに興じたりしていました。母親は綺麗な人で、こっちではスーパーのレジ打ちの仕事なんかをやっていた。月ちゃんにはお兄さんがいて、本人は比較的大人しい印象でした」

 地元の中学に進学した村山さんはバスケ部に入部。副キャプテンまで務め、快活な一面を覗かせていたという。部活のコーチが振り返る。

「コーチをしていると怒らないといけない時もあるけど、月の明るさがチームを鼓舞してくれていました。天然なところがあって、練習のデモンストレーションで月にプレーしてもらうことがあった時には、おっちょこちょいをしてチームにひと笑い起きることもありました。先輩からも後輩からも慕われて、人思いの子だったんじゃないかな」

 部活で活躍する場面を見せ、母親も試合観戦に来ていた。ところが村山さんが中学を卒業する前後で家庭環境に微妙な不和が生じ始める。背景には両親の別居問題があった。

「その後、父親と母親が別居することになり、母親と共に留萌市の祖父母宅に住まいを移したようです。月ちゃん自身は環境を変えて留萌市内の高校に進学したものの、1年で中退。通信制高校に通っていました」(同前)

 羽幌町から遠く離れた旭川で起きた悲劇に、地元も動揺を隠せない。前出・同級生の父親が続ける。

「中学は1学年30数名しかいなかった。それだけに、息子をはじめ村山さんの同級生たちはショックを受けているようです」

 冷たい川底で苦しんだ村山さんは、最後に何を思ったのか。

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(「週刊文春」編集部/週刊文春Webオリジナル)