星間空間を飛ぶ米探査機ボイジャーのイメージ(NASA・カリフォルニア工科大提供・共同)

 【ワシントン共同】米航空宇宙局(NASA)は13日、探査機ボイジャー1号が7カ月ぶりに四つの観測装置全てからデータを地球に送れるようになったと発表した。昨年11月に機体の状態や観測結果が届かなくなり、科学チームが復旧を試みていた。

 ボイジャー1号は1977年9月に出発、木星や土星を観測した後、2012年には太陽から噴き出す電子などの粒子「太陽風」が届かない星間空間に出た。今は地球から約242億キロと史上最も遠くを飛び、運用期間も最長の探査機だ。

 昨年11月14日、機体から届く信号に判読可能なデータが含まれていないことが判明。機体に積んだ三つのコンピューターの中で、地球に送るデータを書き込むチップが壊れたことが分かった。

 チームは、壊れたチップが担っていた機能を他の部分に担わせるため、今年4月に新しいデータを送信。片道22時間半のやりとりの末、修正に成功し、機体の状態や、まだ使える粒子や磁場などの観測装置のデータを順次取得していた。

 ボイジャー2号は地球から約202億キロ先で飛行中。