「ミュージシャンから『出たくない』という声もある」…音楽番組『with MUSIC』の読み違え

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4月、日本テレビの春の土曜改編により、『世界一受けたい授業』の後番組としてスタートした音楽番組『with MUSIC』が苦戦を強いられている。

「コンセプトは、『アーティストが今一番歌いたい歌や楽曲を一番聴きたい歌・楽曲に。世界的な視野に入れてグローバルな価値観や視点を持つ令和時代ならでの本格的な音楽番組を目指す』と、かなり壮大です。『世界の果てまでイッテQ!』や『月曜から夜ふかし』などのヒット番組を企画・演出し、最新の人事異動で“ゼネラルスペシャリスト”に任命されたばかりの古立善之氏が監修を務めています。

MCに『news zero』を卒業したばかりの有働由美子さんと俳優でシンガーソングライターの肩書をもつ松下洸平と超一流の人選です。しかし、どうにも数字が上がりません」(制作会社プロデューサー)

13歳〜49歳までの男女を「コアターゲット」として、その層の視聴率を確実に獲得し、『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)を目指すだけでなく、追い越す目算だったが、これが大誤算。スタートしてから2ヵ月、いきなり超人気番組になるとは考えにくいものの、淋しすぎる数字が続いているという。

「局内では、土曜日の20時という時間帯で勝負するのは難しいという声はもともとありました。今では、後に続くドラマ『花咲舞が黙ってない』と『街並み照らすヤツら』の数字が上がらないことまで『with MUSIC』のせいにされてしまっています。

『花咲舞〜』は新設されたドラマ枠で、『街並み〜』は、当初ムロツヨシさんが主演する『たーたん』の放送が予定されていた枠でしたが、ムロさんの辞退により急遽、SixTONESの森本慎太郎くんを主演に据え、内容的には大健闘しているのですが……」(同)

さらに、

「出演を打診したが、何人かのミュージシャンからは出たくないと断られたそうだ」

「有働由美子アナと松下洸平のギャラが高いからスタジオセットがショボい」

「2クールで打ち切りになるのは間違いない」

といった声まで出てきており、ほとんど諦めムードだという。

日テレの音楽番組といえば古くは『紅白歌のベストテン』や『速報!歌の大辞テン』が人気を博した。週末では藤原紀香をMCに据えた『FUN』が毎回大きな話題になった。

「紀香さんのファッションやメイクは“紀香チェック”として女性視聴者の注目の的でした。観客に混ざって紀香さんが“ノリノリ紀香”としてリズムをとったり、歓声をあげたりする様子も見られました。実は音楽番組にはこうしたプラスαの要素がとても大切なのです。

歌番組にはある法則があります。それは、歌唱中は視聴率の毎分グラフが落ちる傾向にあるということ。それは、大ヒット曲や国民的な曲でも変わりません。逆に数字が回復するのはトークの部分だったりするのです」(音楽番組を長年手がける放送作家)

過去に『うたばん』(TBS系)に石橋貴明と中居正広、『HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP』(フジテレビ系)にダウンタウン、『MUSIC FAIR』(同)にホンジャマカの恵俊彰という、トークが達者なタレントやお笑い芸人が起用されていたのは、彼らが歌手との会話やゲームなどの“お遊びコーナー”をうまく仕切れたからだという。そういえば『FUN』にも今田耕司がMCに名を連ねていた。

「現在、『うたコン』(NHK)や『MUSIC FAIR』(フジテレビ系)には芸人さんはいませんが、谷原章介さんや軽部真一アナには歌を愛するという圧倒的な熱量があります。軽部さんは『めざましテレビ』を担当しているのに、前夜、コンサート会場で姿を見かけることが本当に多いですからね。

最近好調な『CDTV ライブ!ライブ!』(TBS系)も長年音楽番組をやりたいと明言してきた江藤愛アナの念願が叶ったカタチです。江藤アナにはいつもアーティストへのリスペクトが感じられるとファンにも好評なのです」(同)

では、松下と有働はどうなのか……。

「松下さんは、先日、B’zの稲葉浩志さんがゲストに出たときも『僕の目の前に稲葉さんがいること自体ちょっと信じられない』とコメントしていましたが、いかんせんテンションの高い人ではないので、番組を盛り上げるほどではありません。ゴールデンタイムの歌番組のMCとしては、やはり人選ミス感は否めません」(テレビ誌デスク)

一方、有働はニュースキャスター時代とは衣装やメイク、髪の色まで変えて、ゴージャスな装いで臨んでいるが、トークの部分があまり盛り上がっていないように見える。

「有働アナはもっとミーハーだと思っていたのですが、スポーツ選手にインタビューをするときのようなハイテンションが、歌手相手には見られないのです。今年4月、冠ラジオの『うどうのらじお』(ニッポン放送)に徳光和夫さんがゲストにみえたとき、『歌にはそれほど関心ないんだな』と指摘され、激しく動揺したことがありました」(スポーツ紙記者)

4月19日放送の同ラジオで、『NHK紅白歌合戦』のくだりになった際、徳光は有働アナの華やかなドレス姿に言及。

「歌手の人に関心があったら、あのコスチュームはしないと思ったんです」

「歌手の皆さんに対して目を光らせるじゃないですか。そのときにですね、あんまり歌には関心がない」

などと斬りこんだのである。徳光アナは「流行歌とそれを支配していた時代背景」というタイトルで432ページの卒論を書いたエピソードまで披露するなど音楽好きで知られている。有働アナは「どっき〜ん」「今、歌番組やってるんで」などと笑ってかわしていたが……。

新番組が、早くも正念場を迎えている。

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