売上:186億7600万円→264億9400万円
原価:52億100万円(27.9%)→74億5800万円(28.2%)
営業利益:5億1400万円(2.8%)→32億9600万円(7.8%)

◆「博多 一風堂」の勢いも著しい!

 一風堂は1985年に福岡県福岡市中央区大名に最初のラーメン店「博多 一風堂」をオープン。国内の直営店の運営は株式会社力の源ホールディングスが担っている。国内は135店舗、海外は15か国・274店舗を展開している(2023年12月時点)。

 海外でラーメン人気を押し上げた立役者は「一風堂」と言われているくらい知名度は高い。2024年3月期の連結決算で、純利益は前期比34.3%増の21億8600万円となった。売上高は前期比21.7%増の317億7600万円、営業利益は同44.5%増の32億9600万円、経常利益は同50.3%増の34億8900万円となっている。

 本業の儲けである営業利益率は10%を超えており、伸長著しい売上と共に今後のさらなる成長が期待できる勢いがある。ちなみに原価率も30%を下回り29.5%とかなり優秀な原価管理をしている。
 
【力の源ホールディングス決算(2023年3月期〜2024年3月期】
売上:261億1600万円→317億7700万円
原価:77億4800万円(29.7%)→93億6700万円(29.5%)
営業利益:22億8100万円(8.7%)→32億9600万円(10.4%)

バブル崩壊から再スタートした「田所商店」

 味噌ラーメン専門店「田所商店」の店舗数も、2019年の109店舗から、コロナ禍においても毎年11店、14店、21店、7店と出店し続け、4年間で48.6%の大幅増と勢いがある。運営は株式会社トライ・インターナショナルが担っており2003年に設立されて、業歴がまだ20年と比較的浅い企業である。

 事業内容は味噌らーめん専門店の経営・フランチャイズ展開、自社工場での各種味噌・タレ類など、食材および加工食品の製造・販売・輸出入などである。社長の田所史之氏は、ラーメン・居酒屋で起業し、バブル崩壊で挫折した経験を持っている。その反省を踏まえ、田所商店で再スタートさせたとのことである。

 田所氏の実家は味噌の醸造を家業としており、田所商店の創業にあたっては「置き味噌」に徹底的にこだわったそうである。チェーン売上高132億9700万円、うち海外売上高9億9500万円(2022年度実績)となっている。

◆「餃子の王将」が相変わらず強い!

 ちなみにラーメンチェーン店売上で首位は「餃子の王将」である。餃子の王将は、チェーとしての統一性を遵守しながら、地域に根差した店づくりもしており、基本メニューは画一化し、各店が独自にその地域のニーズに合致したオリジナルメニューを販売するなど地域密着型の経営をしているから業績も好調である。

 餃子の王将はラーメンも600〜700円で、看板の餃子だけでなく麺飯類や酒のおつまみなど一品料理も多数用意され、食事動機や飲み動機などあらゆる機会に利用できるのが魅力である。業績を時系列でみると、効果的な経営戦略と卓越した経営管理技術で安定経営を実現しているのが明白である。

 前年2023年3月期の売上は前期比9.7%増の930億2200万円で2桁に近い伸び率で成長が著しい。今年度2024年3月期の実績も直営全店売上は925億56百万円(前年比109.1%)、と、通期においても過去最高売上を達成している。ちなみに客数8万1735人(前年比105.9%)、客単価1132円(前年比103.1%)はすべて前年を上回っている。

 また、FC売上を含む全社売上高(決算上の売上高)は26か月連続で同月比過去最高を更新しており、通期では創業以来初めて1000億円(1009億8400万円)を突破している。さすがラーメンチェーン首位だけに利益を積み重ねており、自己資本比率が74.6%と財務基盤も盤石である。