歯科の「静脈内鎮静法」のリスクと副作用はご存じですか? 起こり得るトラブルも歯科医が解説!
歯科の「静脈内鎮静法」のリスクと副作用はご存じですか? 今回は、静脈内鎮静法の注意点や起こり得るトラブルについて、「こうみ歯科クリニックEAST」の河見先生に解説していただきました。
※この記事はMedical DOCにて【歯科治療の「静脈内鎮静法」のリスクやメリット・デメリットを歯科医が解説】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
監修歯科医師:
河見 有恵(こうみ歯科クリニックEAST)
大阪歯科大学卒業。大阪大学歯科麻酔学講座入局。その後、大学病院や一般歯科医院で勤務。2018年、大阪府大阪市に「こうみ歯科クリニックEAST」を開院。歯科治療に対する不安や恐怖心が強い患者に対して無痛治療(ストレスフリー治療)を提供している。日本歯科麻酔学会認定医。日本障害者歯科学会、日本アンチエイジング歯科学会の各会員。
編集部
歯科の静脈内鎮静法で起こり得るリスクやトラブルについて教えてください。
河見先生
静脈内鎮静法の薬剤には呼吸を抑える作用があるため、鎮静の効果よりも呼吸抑制の方が強く起こってしまう場合は中断も余儀なくされます。そのため、麻酔科医が施術中に一番神経を使うのは「呼吸の管理」です。静脈内鎮静法を受ける場合は、「万が一に備えて、きちんと設備や薬剤が整っているか」「麻酔の専門医または認定医が施術をおこなっているか」などもよくご確認いただきたいと思います。
編集部
静脈内鎮静法に副作用はないのでしょうか?
河見先生
体に害を及ぼすような副作用はありませんが、治療後は酔っぱらったような感覚がしばらく残ります。患者さんによっては足元がふらついて転倒したり、普段とは違った行動をとってしまったりすることもあるため、施術当日はその点に十分注意が必要です。
編集部
そのほかに、静脈内鎮静法のデメリットがあれば教えてください。
河見先生
先ほども少しお話ししましたが、静脈内鎮静法をおこなうにあたっては、全身管理を含めた専門知識や技術を有した歯科医の存在と専用の設備が必須です。したがって、静脈内鎮静法を希望しても、施術を受けられる歯科医院が限られてしまうのは患者さんにとってはデメリットと言えるでしょう。また、静脈内鎮静法は今のところ保険適用となりますが、自費診療でおこなっている歯科医院も少なくありません。その場合(自費診療)は通常の治療よりも費用がかかってしまいます。これらを把握した上で検討しましょう。