映画館チェーンのアラモ・ドラフトハウス・シネマが、2023年12月31日にX(旧Twitter)で「ソニー製プロジェクターの故障で一部劇場で映画を上映できなくなっている」と発表しました。

Alamo Drafthouse blames ‘nationwide’ theater outage on Sony projector fail - The Verge

https://www.theverge.com/2024/1/1/24021915/alamo-drafthouse-outage-sony-projector



現地時間の2023年12月31日、アラモ・ドラフトハウス・シネマの公式Xアカウントが「みなさんごめんなさい!ソニー製プロジェクターで問題が発生しており、現在一部の映画館で映画を上映できません。該当する映画館は終日休館とさせていただきます」とアナウンスし、プロジェクターの不具合により一部の映画館を休館とすると発表しました。休館となったのはヨンカーズ、ロウアー・マンハッタン、ウェストミンスター、スローンズ湖、サンフランシスコのNew Missionにある映画館です。





海外メディアのThe Vergeは「何が起こったのかは不明で、元旦は休日なのでアラモ・ドラフトハウス・シネマとソニーの広報担当者とも連絡が取れません」と報じています。

アラモ・ドラフトハウス・シネマが突如休館になったことは海外掲示板のReddit上でも話題となっており、マンハッタンの映画館へ行ったというユーザーは「管理者から、ソニーでセキュリティ侵害があったため、ソニーのプロジェクターシステムを使用するすべての映画館が無期限に影響を受けていると説明されました」と報告しています。

Movies Not Working
byu/Juan_Carlo inAlamoDrafthouse


ツインシティーズにあるアラモ・ドラフトハウス・シネマの映画館へ行ったという別のユーザーは、「席に行くと他作品の予告編が流れているにもかかわらず、スタッフから『映画が始まるまで映画が観られるかどうかわからない』と説明されました」と報告しました。ただし、このユーザーの場合、予定通り作品を観ることができたそうです

このユーザーが映画館で撮影した張り紙にも、「ソニーにまつわる全国的な技術的問題により、一部のタイトルを上映することができません」と記されており、問題がソニーの機器に関連することがわかります。



なお、アラモ・ドラフトハウス・シネマは2024年1月1日にInstagram上で、「本日、影響を受けた映画館で、ほとんどの上映がオンラインで再開されました。皆様のご理解とご協力に感謝いたします。ショーに影響が生じた場合には、弊社チームから直接ご連絡させていただきますのでチケットの購入に使用したメールアドレスをご確認ください」とお知らせし、問題が解決したことをアピールしています。

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Reddit上では「ソニーやDeluxe、アラモで働いているわけではないのですが、今回の問題はDDoS攻撃やサイバー攻撃によるものではないと思います。一部のソニー製プロジェクターの証明書と復号キーおよびコンテンツの間には互換性がありませんが、これは今日まで知られていませんでした。プロジェクターの製造元であるソニーと暗号化された映画を提供する大手プロバイダー・Deluxeの両当事者が、問題解決に取り組んでいます。この問題は一部の特定のソニー製モデルにのみ影響します」と述べ、今回の問題の原因がデジタル証明書にあると指摘する声もあります。



なお、ソニーは2020年にデジタルシネマプロジェクター事業から撤退したと報じられており、ソニーの劇場向けシネマプロジェクターの既存モデルはすべて製造中止となっています。