痛恨のミスを犯したマルシッチ。(C)Getty Images

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 周囲を驚かせた先発起用も、事態を好転させる結果に至らなかったということか。

 ラツィオの鎌田大地は12月17日、セリエA第16節のインテル戦でスタメンに名を連ね、65分までプレーした。チームは0−2で敗れている。今季6敗目を喫したラツィオは、11位に転落した。

 絶対的な司令塔ルイス・アルベルトの先発が予想されるなか、マウリツィオ・サッリ監督は鎌田を抜擢。リーグ戦では3試合ぶりに日本代表MFを左インサイドハーフで先発出場させる。

 ラツィオは押し気味に試合を進めたが、40分にアダム・マルシッチが痛恨のミス。バックスパスをラウタロ・マルティネスにさらわれて先制を許す。鎌田も56分に惜しい場面を迎えたが、左足のシュートが枠をとらえず、悔しさを露に。65分にルイス・アルベルトとの交代を命じられると、チームは直後に追加点を献上し、公式戦2連敗となった。
【動画】インテルとの大一番でラツィオDFがまさかのミス
チャンスを生かせなかったことも響いたのか、現地メディアの評価は厳しい。

 衛星放送『Sky Sport』は及第点を大きく下回る5点評価。ラツィオ専門サイト『La Lazio Siamo Noi』も5点で、「普段と比べてより積極的で、多くのボールに触れ、いつもより動きの中心にあった」としつつ、「だが、精度が欠点のまま。左足で外した場面は彼の困難を物語っている」と批判した。
 
 5.5点の『Sport Mediaset』は、「継続性と惜しみなさで攻撃のアクションに参加したが、ルイス・アルベルトのような技術ではなく、多くのボールを間違えた。何度か放ったシュートは相手守備を脅かすようなものではなかった」と伝えている。

 やはり5.5点の『Gazztta dello Sport紙も「前後にたくさん走ったが、あまり思慮深い走りではなかった。非常に魅力的な2回のチャンスで精度を欠いた」。『TUTTOmercatoWEB』も「サッリのサプライズ起用は実らず。常に称賛できるものではなかった。2度のチャンスを無駄に」と指摘した。

 同じ5.5点でも、『Eurosport』は「チームメイトたちのように、彼についても良い試合だったというコンセプト」と、一定の評価。だが、「違うのは、ボックス内での好機で最初は悪く、次はとても悪いキックだったことだ」と、やはり決定力に不満を見せている。

 ラツィオ専門サイト『cittaceleste』(5.5点)も、「前半も後半もインテルを叩く機会を手にしたが、シュートが間違いなく不正確だった。とても動いたが、影響を及ぼせず」と指摘。ただ、鎌田の出来に期待も感じたようだ。

「先発出場で集中し、努力したクリーンな試合をした。もちろんルイス・アルベルトは別物だが、少なくとも今日は彼が興味深い試合をするのを見られた」

『calciomercato.com』も、「ライン間で積極的、ボールマネジメントでダイナミックだった」と、及第点の6点をつけている。それでも、「大事なエリアでの決定的なプレーが足りなかった」と、やはり決定力への言及があった。

 厳しい立場が続くなか、流れを変えるには目に見える結果を出すしかないということかもしれない。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部