ビキニ選手REIKAのたゆまぬ努力「減量15キロ」「食事は餌」「月150本のパーソナル」
ビキニ選手・REIKAさんインタビュー(後編)
◆REIKAさん・前編>>異色の経歴「オリンピック代表候補→レースクイーン→ビキニ選手」
REIKAさんがステージに立つと、やはり迫力が違う──。日本人選手の枠に収まらないポテンシャルは、オリンピックを目指していたアスリート時代の賜物だろう。
世界的な人気を誇るビキニという魅せる競技において、レースクイーン時代に培った経験も大きい。「強くてカッコいい女性」を目指すREIKAさんの次なる目標とは?
◆オリンピック代表候補→レースクイーン→ビキニ選手・REIKAさんの昔と今(50枚)>>
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なぜレースクイーンからフィットネスの世界へ? photo by Yazawa Takanori
── REIKAさんは2017年からレースクイーンやモデルの仕事をしながらボディコンテントへ出場するようになりました。なぜ大会に出ようと思ったんですか?
「レースクイーンを始めた当時は、コスチュームを着こなすために身体が細くなければいけなかったんです。ただ、そうすると筋量は落ちるし、脂肪も増えてしまう。これじゃダメだなと思ってトレーニングを始めたんです。
でも、どうせやるならば目標がほしいと思って、コンテストがあることを知り、じゃあがんばってみようかと。ボディメイクのコーチをつけて4カ月ぐらいトレーニングをして、初めて大会に参加したら準優勝できたんです」
── さすがは元オリンピック代表候補。ベースとポテンシャルはあったわけですね。
「最初は『ベストボディ』というカテゴリーであまり筋肉量を必要とせず、身体のラインの綺麗さを競う大会だったんですけど、その後の大会も優勝することができました。2年目からはもっと筋肉が必要な大会に転向したので、今は『ビキニ』というカテゴリーに参加しています」
── 身長174cmのREIKAさんは「170cm以上のクラス」ということですが、非常にゴージャスで均整のとれた肉体だと感じられます。このビキニ競技の魅力というのは何でしょうか。
「ボディビルのようなムキムキの肉体ではなく、私が目指したいのは、お尻も胸も丸みのある女性らしいスタイルを保ちつつ、筋肉もしっかりとある身体なんです。だからビキニは非常にやりがいがありますし、毎年身体がバージョンアップしていく感覚はありますね」
ラウンドガールもやっていたREIKAさん
── 競技としての難しさや、REIKAさんならではのアピールポイントは?
「やっぱり"魅せ方"というのも大事な審査基準なので、いくらいい身体を作ってもポージングが下手だと負けてしまうんです。ただ、私はレースクイーンやモデルを経験しているので、"魅せ方"の部分ではほかの人よりもアドバンテージはあるかなと思っています。これまで経験したすべてが糧(かて)になっている感じですね」
── なるほど。大会に向けて体重は最大どれくらい絞るのですか。
「大会の3〜4カ月前から、だいたい15キロぐらいは落としますね。基本、1週間で1キロぐらいの計算です。でも、ただ体重を落とせばいいわけではなく、筋肉量は保ちつつできるだけ脂肪だけで落としていかないといけません。トレーニングと有酸素運動は週5回、ポージング練習は毎日。もちろんその間に自分の生徒達のセッションもやりながら」
── 食事の面はいかがですか? かなり制約があってきついと聞きますが。
「いや、私は全然きつく思わないタイプなんです。まあ、食事は餌というか、人間の食べ物を食べている感覚はないんですけどね(笑)。栄養のバランスやカロリーを考慮しながら、1グラムの狂いもなく計算をして自炊しています。
減量スタートの頃はビーフとか食べますけど、最後のほうはやっぱり鳥のササミや白身魚になりますね。あとは水抜きしたり、塩抜きをしたり。年間を通してスケジュールを立てて、けっこう真面目にやっているんですよ(笑)」
── そうでなければ、その肉体を作り上げることはできないでしょうね。パーソナルトレーナーは何年くらい前から始めたのですか?
「5年くらい前なので、競技を始めて少し経った頃ですね。おかげさまでたくさんのお客さんがついてくれています」
── 月に150本ですものね。
「死にそうです(笑)。9割5分、女性のお客さんで、基本的には競技者ではなく一般の方を教えています」
── やっぱりREIKAさんは憧れられる存在なんでしょうね。
「ありがたいことに『トレーニングをがんばって、先生みたいになりたい』とおっしゃってくれる方もいます。目的は人それぞれで、ダイエットだけじゃなくボディメイクをしたい人、逆に体重を効果的に増やした人もいます。もちろんトレーニングが健康にいいのは間違いないですし、教えているみなさんをいい方向に導けたらなと日々がんばっています」
REIKAさんの理想は「強くてカッコいい女性」 photo by Yazawa Takanori
── トレーニングやフィットネスは、肉体ばかりではなくマインドにもいいと聞きます。
「間違いないですね。外見が変わるのは当たり前ですが、内面もすごく変わるんですよ。ポジティブになれるし、トレーニングを終えるとみなさん元気に帰っていきます。
トレーニングは、健康はもちろん、その人の人生を豊かにしてくれるもの。それを私としてはもっと発信をしていきたいし、そのためにも大会で成績を残してアピールすることで、フィットネスやスポーツに興味がない人にリーチできたらなって思っているんです」
── それはいいモチベーションですね。
「実際、私のことをきっかけでトレーニングを始めた方もいらっしゃいますし、なかには80代の方もいるんですよ。何歳になっても、鍛えれば筋肉は応えてくれますし、裏切りません。私から与えるものもあるでしょうが、みなさんから得るものも多くて、本当にやりがいがありますね」
── きっといいエナジーをもらえるんでしょうね。では、ビキニの選手としての今後の目標は何でしょうか?
「今はアマチュアのトップなので、まずはプロになりたいと思います。今も海外の大会に参加していますが、プロになってより広い世界で活躍をしたい。
プロになるためには、まず『プロカード』を取得しなければいけないんです。大会の規模にもよりますが、各クラスで優勝した人が最後に競い合い、1枚くらいしか発行されない狭き門。来年2月にプロカードのかかった『マッスルコンテスト』という世界規模の大会が日本であるので、ここでしっかりと結果を出したいですね」
── それは楽しみですね。
「日本にはビキニのプロはあまりおらず、世界を舞台に結果を残している選手もいません。私としては、何とかそこをぶち抜きたいと思います」
── 身長174cmという日本人の枠には収まらないフィジカル。元トップアスリートのポテンシャルにも期待していますので、ぜひ世界を舞台に戦ってください。
「期待に応えられるようがんばります。いつまでも『強くてカッコいい女性』でいることが理想なので、唯一無二の存在になれるよう、これからもトレーニングしていきたいと思います」
<了>
◆オリンピック代表候補→レースクイーン→ビキニ選手・REIKAさんの昔と今(50枚)>>
【profile】
REIKA
ビキニ選手、フィットネスモデル、トレーナー。福岡県福岡市出身。セーリング競技で五輪特別強化指定選手に選ばれたのち、レースクイーンの道へ。その後、フィットネスの世界で頭角を表し、2019年のWBPF世界選手権で銅メダル獲得。2023年はマッスルコンテスト・ジャパン「女子ビキニの部170センチ超級」で優勝した。身長174cm。