一塁手でアジアチャンピオンシップに出場している台湾代表の何恆佑【写真:荒川祐史】

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カーネクスト アジアプロ野球チャンピオンシップ 2023

 アジアプロ野球チャンピオンシップが16日、東京ドームで開幕し、日本代表「侍ジャパン」は台湾を4-0で下した。敗れたものの随所にいいプレーを見せた台湾。「8番・一塁」で先発出場した何恆佑(ホー・ホンヨー)内野手が、試合後のグラウンドに長い間深々と頭を下げたシーンが日本ファンの心を打った。一夜明けた17日、本人に話を聞くと「初めて東京ドームに来て、グラウンドに敬意を払わないといい結果がついてこない。試合後も『ありがとうございました』の意味で一礼をしました」と明かしてくれた。(取材=THE ANSWER編集部・宮内 宏哉)

 侍ジャパンの先発・赤星から内野安打を放つなど、2打数1安打だった何恆佑。試合後、ナインとともに三塁側のファウルラインに沿って整列。すると、深々と一礼した。腰を90度以上に曲げ、頭もしっかり下げて感謝が伝わってくる。時間にして、10秒以上。何恆佑以外にも一礼する選手がいたが、その長さは際立っていた。

 一夜明け、豪州戦前の練習時に、本人に話を聞いた。「監督や家族に、グラウンドは神聖なところなので敬意を払わないといいプレーもできないし、良い結果もついてこないと言われてきた。小さいころからの習慣です」と昔から続けている行いだと説明してくれた。

「台湾の多くの選手が、何かしらこういうことをすると思います。初めて東京ドームに来て、グラウンドに敬意を払わないといい結果がついてこない。試合後も『ありがとうございました』の意味で一礼をしました」

 22歳の何恆佑は、台湾プロ野球の統一ライオンズに所属。日本の選手では自身と同じ2001年度生まれの佐々木朗希、奥川恭伸らが印象に残っており、U-18では宮城大弥と対戦した経験がある。

 自身の一礼がネット上の日本ファンの間でも話題になった日本戦は、東京ドームに2万人以上の観客が入った。「応援が凄く、一体感がありました。相手打者にはすごくプレッシャーになるかもしれないけれど、自分は活力、プラス思考に変えました。初めてこんなに大きな場所でできるので素晴らしい経験です」と目を輝かせた。

(THE ANSWER編集部・宮内 宏哉 / Hiroya Miyauchi)