美女馬券師のGI最終決断
守永真彩〜エリザベス女王杯編


photo by Fujimaki Goh

◎ブレイディヴェーグ
◯ライラック
▲ジェラルディーナ
☆サリエラ
△ディヴィーナ

 守永真彩です。よく「競馬の魅力はなんですか?」と質問されることがあるのですが、数ある魅力のなかのひとつに"血統"があると思います。

 いきなり「サンデーサイレンス系」とか「4×3のクロス」とか言われても、競馬初心者の方からすると「はて?」となってしまいます。そういった血統とは別に、「この馬のお父さんが好きで、子どもも応援している」というような"血統"は身近に感じられるかなと思うんです。

 実際、私は2014年の皐月賞馬イスラボニータが大好きなのですが、彼の子どもたちのレースを見ていると、時折お父さんと同じく、猫のように伸びやかに走っている馬がいて、そんな子どもの走りに彼を重ねてしまったりしていします。

 競馬を見るようになって10年経ちますが、だいぶ自身のなかでも"親子"のドラマを楽しめるようになってきました。今年から競馬を始めた方は、これからその物語を作っていく楽しみもあると思います。

 たとえば、競馬が好きなお父さんやお母さんがいれば、当時の思い出を聞きながら、親子で競馬をエンジョイするのもいいかもしれません。自分のなかで紡がれていく血統。自分自身の親とともに楽しむ血統。人馬ともに世代を超えて楽しめるのが、競馬の大きな魅力だと思います。

 ところで、2012年――。ジェンティルドンナという女傑が史上4頭目の牝馬三冠を達成しました。その後、彼女はジャパンCで前年の三冠馬オルフェーヴルと対戦。最後の直線はその2頭の一騎打ち! 激しい叩き合いの末、なんとジェンティルドンナが3歳牝馬初の勝利を飾って、3歳牝馬として史上初の年度代表馬にも輝きました。

 実はその年、牝馬三冠すべてのレースで、ジェンティルドンナの2着になった馬がいます。ヴィルシーナです。彼女自身もその後、ヴィクトリアマイルを連覇するなど輝かしい成績を残していますが、最後までジェンティルドンナに先着することは叶いませんでした。

 あれから11年。今週行なわれるGIエリザベス女王杯(11月12日/京都・芝2200m)で、それぞれの子どもが対決します。

 しかも運命のイタズラか、ジェンティルドンナの子ジェラルディーナと、ヴィルシーナの子ディヴィーナが同じ枠に入りました。どちらが先着を果たすのか。母の時代からの因縁の対決を重ね合わせるように、レースを見守るファンも多いのかなと思います。

 そんな2頭の対決も楽しみなのですが、今年のエリザベス女王杯は役者がそろい、かなりの混戦模様に感じます。さて、私の本命ですが......ブレイディヴェーグです!

 デビューから4戦して全連対。重賞初挑戦となった前走のGIIローズS(9月17日/阪神・芝1800m)ではスタートで少し遅れるも、レコード決着のなか、上がり最速の脚を繰り出して2着と大健闘!

 ローズSを勝ったマスクトディーヴァは、その後のGI秋華賞(10月15日/京都・芝2000m)で2着。最後は、絶対王者リバティアイランドにあと少しで届きそうな勢いで伸びてきました。

 それを考えると、ブレイディヴェーグの評価も高まります。スタートがカギだと思うので、そこさえクリアしたら、勝利もあると思います。

 対抗はライラック。こちらは、オルフェーヴルの血をひく牝馬です。昨年のエリザベス女王杯では道悪のなか、勝ち馬のジェラルディーナに迫り、12番人気の低評価を覆して2着同着と奮闘しました。

 秋初戦となった前走のGII府中牝馬S(10月14日/東京・芝1800m)では、プラス18kgという自身最高体重の448kgで出走し、勝ったディヴィーナにコンマ1秒差の3着。まだ4歳ですし、ひと回り大きくなった馬体は、成長の証のように感じます。

 京都で行なわれた近年のエリザベス女王杯を振り返ってみると、中団で運んだ馬が馬券に絡んでいる印象が強いです。中団から伸びてきた前走のレースぶりからして、同馬への期待がますます膨らみます。

 ▲は連覇を狙うジェラルディーナ。昨年のエリザベス女王杯は阪神競馬場での開催でしたが、3年前の覇者ラッキーライラックも、前年の京都から阪神へと開催場所が替わっても連覇を遂げました。エリザベス女王杯は、舞台が替わっても"リピーター"がくるレースです。

 昨年のこの舞台から勝ち星はないものの、戦ってきた相手を考えたら、牝馬同士では力は一枚上に感じます。

 ☆にはサリエラを。新潟滞在で挑んだ前走のGIII新潟記念(9月3日/新潟・芝2000m)では7着と大きく負けてしまいましたが、今年の場合、酷暑も影響していたのかと思います。それまでは安定した成績で走れていましたし、改めて見直したい存在です。

【推奨馬券】
◆馬連BOX(6通り)=(1)(7)(11)(13)
◆ワイドBOX(6通り)=(1)(7)(11)(13)
◆馬単・裏表(2通り)=(6)⇔(7)