グロービスは11月8日、同社提供する定額制動画学習サービス「GLOBIS 学び放題」が実施した、社会人の学習実態や仕事に関する課題についての調査結果を発表した。社会人の約6割が「キャリア目標なし」「学習習慣なし」「自社DXに関心なし」であることが明らかになった。

社会人の6割強が学習習慣がない

このレポートは、社会人の学習実態、学習内容に関する意識、DX(デジタルトランスフォーメーション)・デジタルリスキリングに関する意識について、20歳〜59歳の正社員(営業職、事務職など)や人事担当者1464人を対象に、4月28日〜4月30日にインターネット上で実施したアンケート調査と、GLOBIS 学び放題受講者のコース視聴データ(2022年3月1日〜2023年2月28日、約23万人)に基づいてまとめている。

社会人の学習実態について、アンケートに回答した社会人の約6割は「(業務外での)学習を行っていない」と回答した。アンケート内容と学習習慣の有無を分析した結果、学習習慣には「キャリア目標」「スキルに対する課題意識」「役職」「年収」が相関していた一方で、キャリア目標がない社会人が59%にのぼるなど、個々人が学習習慣を持つにあたっての難しさも明らかになった。

学習内容に関する意識調査では、人事担当者は社員にチームや部下のマネジメントに関することを学んでほしいと思っている一方、社員は自身の業務における基礎スキルや思考スキルへの課題感を高く持っていることがわかった。人事担当者と社員の意識にはズレがあり、特に若手/中堅社員、あるいはベテラン社員と人事担当者の間に顕著にみられた。

人事がチームや部下のマネジメントを求めているのに対し、社員は自身に関する「ビジネスの基礎・思考スキル」への関心が高い

DX・デジタルリスキリングに関する意識調査では、所属企業や部署でDXやデジタル化への取り組みがどのようにされているか聞くと、社員の56%が取り組みが無い・わからないと回答し、関心の低さがうかがえた。こうした傾向は、DXやデジタル領域について社員が課題に感じることの1位が「特に当てはまることはない」であることにもあらわれている。一方、人事担当者は特に「DX・デジタル化の自社や自部門との関係性の理解」「デジタルコンプライアンスや情報セキュリティの基礎知識」など、社員に関連事項の学習を進めて欲しい意欲が高く、人事担当者と社員の間のギャップが明らかになった。

自社・自部門で取り組みをしていない、もしくは取り組みを認識できていない人が過半数