ステルス性もある艦とのこと。

損傷時には大きな爆発音も？

　ウクライナ海軍は2023年10月11日、ロシア黒海艦隊の哨戒艦「パーベル・デルジャビン」がクリミア半島の港湾都市セヴァストポリ沖で損傷したと発表しました。


「パーベル・デルジャビン」と同型艦の「ドミトリー・ロガチョフ」（画像：ロシア国防省）。

　海軍報道官のドミトロ・プレテンチュク氏は、正確なことは分からないとしつつも、同艦の近くで爆発があったことは確認したと、自国メディアに答えました。

　一部では「パーベル・デルジャビン」は自軍が設置した機雷に触れたのではないかという情報も出ています。ロシアが機雷を設置したと思われる海域で、ウクライナ勢力圏にも聞こえるほどの、耳をつんざくような爆発音がしたからです。

　この件に関してもプレテンチュク氏「詳細は不明である」と明言は避けましたが「どちらにせよ、船は損傷した」と付け加えました。なお、今回の損傷に関してロシア国防省からの正式発表はありません。

「パーベル・デルジャビン」ロシアで最新鋭のプロジェクト 22160哨戒艦の一隻で、2020年11月に就役しました。船体はステルス性を考慮しているとされています。

　また、主に外海における哨戒、監視、警備などの任務を目的として設計されており、同艦は哨戒艦でありながらKa-27対潜ヘリもしくはKa-226多用途ヘリ用のヘリコプターデッキと格納庫を持ち、スピードボート、ドローン、無人ボートなどの搭載も可能です。

　さらに専用のモジュールを搭載することにより、ロシア軍の巡航ミサイルである「カリブル」を8発搭載可能という、攻撃力と汎用性の富む艦となっています。なお、巡航ミサイル用の発射モジュールは現在開発中とみられており、損傷したとされる「パーベル・デルジャビン」には搭載されていない可能性が高いです。