原型は70年前に開発された自走砲です。

従来モデルよりも砲身が2mほど延長

 イギリスの防衛産業大手であるBAEシステムズは2023年10月10日、新型の自走砲「M109-52」を発表しました。
 
 これは、BAEシステムズ社製のM109自走砲に、ドイツのラインメタル社が開発した52口径155mmりゅう弾砲を組み合わせたもので、これによりM109に長射程かつ精密な砲撃能力を付与したといいます。


BAEが公開した最新自走砲M109-52(画像:BAE)。

 M109自走砲自体は1950年代半ばに開発が始まった軍用車両で、すでに70年近く使い続けられているベテラン兵器です。度重なる改良によって延命されてきた経緯があり、搭載するりゅう弾砲は39口径と、冒頭に記した52口径の新型よりも2mほど短い旧式なものを長年用いてきました。
 
 BAEシステムズの説明によると、M109-52は射撃試験もすでに行っており、ミネソタ州キャンプリプリーで実施されたテストでは、M109シリーズの最新型であるA7モデルの車体とラインメタル社製155mmりゅう弾砲の互換性を証明して見せたとのこと。同社は2024年に追加テストを実施する予定としています。
 
 実車は、アメリカの首都ワシントンDCにおいて開催中のアメリカ陸軍協会の武器展示会「AUSA2023」において、展示公開されています。