暑かった気候も落ち着き、徐々に秋めいています。こんなときは、自宅でホッとひと息つける極上のコーヒーを淹れてみたいですね。昨今、コロナ禍を機に、コーヒーを豆から淹れる需要が増していると言います。今回、ネスレ日本株式会社の常盤馨さんとスターバックス・トレー ディング合同会社の安藤真由美さんに、豆から挽いたコーヒーの淹れ方と、おすすめグッズについて教えてもらいました。

最高の1杯をつくる!コーヒーをおいしくする手順

自宅でコーヒーを飲むときは、どのような手順で飲んでいますか? 多忙な人はワンドリップタイプやインスタント、こだわりが強い人は豆から挽く…などなど、人によって様々です。豆から淹れるとなると、道具などは必要になりますが、最高の1杯を自宅で味わうためならぜひチャレンジしてみたい。そう思ったESSEonline編集部のOが、直接プロに教わりに行ってきました。

●プロ推奨!豆から淹れるおいしいコーヒーのつくり方

準備するものは、(左上から時計回りに)沸騰させたお湯(180ml)、コーヒーミル、コーヒー豆(1人分10g)、ドリッパーとフィルター、お好みのマグカップです。

まずはコーヒーミルに、1人分の分量のコーヒー豆を投入します。

回しながら挽いていきます。最初は少し手ごたえを感じますが、徐々に豆が細かくなり、スムーズになっていきます。

「挽いた豆の粗さは、グラニュー糖くらいがベストです」(スターバックス・安藤さん)

お次は、ドリップの準備をします。コーヒーサーバーの上にドリッパー、フィルターをセットします。

お湯を少し注ぎ(分量180mlのうち30mlほど)、フィルターを湿らせます。

先ほど挽いたコーヒー豆をフィルターに入れ、平らにしてならします。

コーヒーのうまみを最大限に引き出すために、コーヒー豆全体が湿る程度にお湯を注ぎ、20〜30秒ほど蒸らします。

少しずつポットにコーヒーが落とされていくのを眺めるのもテンションが上がりますね。その後も、中央からゆっくり円を描くように数回にわたって、残りのお湯を注ぎきります。

ここで重要なのが、最後までポットに落としきらないところで、ドリッパーを取り出すこと。最後まで落としてしまうと、えぐみが残ってしまうそう。

熱々のうちにマグカップに注ぎ、甘いスイーツと共にいただきます。

教わりながら淹れたコーヒーをひと口飲んでみると、まず感じたのが「濃厚…!」。でも、嫌な濃さではなく、本当においしさだけが味わえる感覚です。挽きたてということで、すごく香りもいいです。スイーツと共にいただくと、お互いが引き立てあっていて、最高の相性になりました。

●おいしいコーヒーを淹れるための4つの基本

ここで、あらためて大事な基本を教えてもらいました。

(1) 分量を守る

コーヒー豆は一人分10gに対して、お湯は180g(実際は150gですが、湿らせるためのお湯を含んだ場合)をしっかり守りましょう。

(2) 豆は「グラニュー糖」ほどの粗さに挽く

細かすぎず、粗すぎないのがベストです。もし、コーヒープレスで淹れる場合は、粗めに、エスプレッソマシンの場合は細かくします。

(3) 水にこだわる

コーヒーの98%は水なので、水は新鮮で浄水器を通したものが望ましいそう。もし、市販のミネラルウォーターを使う場合は、国産の軟水がおすすめ。

(4) 新鮮なコーヒー豆を使う

常に新鮮に保つためには、保管方法が大切です。豆は酸化スピードが速いため、熱、酸素、湿気が影響しないよう、密閉容器に入れて保存するのがいいそう。もし半月以上で飲みきれない場合は、小分けにして冷凍保存をしましょう。

●初心者におすすめの豆は「コロンビア」産

市場にはさまざまなコーヒー豆が売られています。どれを購入したらいいのか、わからなくなったときは、「コロンビア」がいいそうです。

「コーヒーはさまざまな産地のものがありますが、とくにコロンビアは、コーヒー生産大国で、バランスのよさが人気です。あらゆるメーカーから出ているので、いろいろ試してみていただきたいと思います」(ネスレ日本・常盤さん)

お気に入りのコーヒー店や、気になるコーヒー豆を売るお店に尋ねてみても、自分なりの発見がありそうですね。

●コーヒーミルの選び方

今回、紹介したのは手動のミルでしたが、これから購入する場合、どのようなものがおすすめなのでしょうか?

「選ぶポイントは、一度に何g挽けるかという容量です。1人分が10gなので、2人家族なら20g一気に挽けるタイプなどは便利なのではないでしょうか。また、各社メーカーでさまざまなものが出ていますがどれも優劣つけがたく、いちばんは自分がテンションの上がるものを選ぶのがベストだと思います」(スターバックス・安藤さん)

こういったハンドタイプも、アウトドアにも持って行きやすいので人気です。ケアのしやすさなども決め手になりそうです。

今回、教えてもらったのを機に、「家で最高のコーヒーを淹れたい!」という欲が沸いたOは、早速、コーヒーミルを探す旅を始めようと思いました。