階段を上りきった2階ホールにカウンターを設置して、仕事や読書、遊びに使えるスペースに。そんな間取りを実現した日刊住まいライター。2階のどの部屋からも近く、かつ、必ず通る場所にしたことで、「だれも使わない」という事態を避ける工夫もしています。大人も子どもも楽しく使う様子をレポート。

階段を上がった先に開放感のある空間をつくりたい

3年前にハウスメーカーで2階建ての家を建てた筆者。妻と子ども2人の家族4人で暮らしています。筆者宅は延床面積38坪と決して広くはありませんが、階段を上がった先に開放感のあるホールをつくりました。

 

開放感の秘密はホールの天井高。勾配天井とすることで、天井まで約4mの高さを確保しました。

 

広さは、280×170cm。面積にすると約3畳ですが、天井が高く、窓のある階段室にも面しているので、とても開放感があります。

階段を上った先の空間に開放感を求めたきっかけは、筆者が家づくりをしていた頃に参加した、ハウスメーカー主催の住まいの見学会でした。

住まいの見学会で拝見したいくつかのお宅は、どれもすばらしかったです。しかし、階段を上がってすぐ目の前に、壁がドンッと立ちはだかるような間取りのお宅が多く、その閉塞感が気になって仕方がなかったのです。

自分の家では階段を上がった先には開放感のある空間をつくりたい、と強く思ったのでした。

 

大人は読書、子どもは電車遊び…多目的スペースに

2階ホールをつくった理由はほかにもあります。それは、2階ホールを多目的スペースにしたかったから。

筆者宅には書斎があり、テレワークやちょっとした作業などはおもに書斎でします。しかし、少し気分を変えたいときには、この2階ホールで作業することもあります。また、夜、コーヒーを飲みながら、このカウンターテーブルで読書をすることも。

 

一方で、オモチャ遊びが活発になってきた2歳の息子も、2階ホールがお気に入り。最近は電車遊びにはまっていて、広い2階ホールに線路を用意してあげると、時間を忘れて喜んで遊んでいます。

ちなみに、このホールのそばには子ども部屋があります。将来子どもが中高生になって勉強に忙しくなったとき、ぜひ気分転換にこの2階ホールを使ってほしいと思います。カウンターテーブルもあるので、ここで勉強もアリです。

ホールがムダなスペースにならない秘訣は間取りにあり

多目的スペースをつくっても、結局家族が使わないままで、ただの広い空間になってしまった、という話はよく聞きます。しかし、筆者宅の2階ホールは今のところ多目的スペースとして機能しています。筆者はその要因が間取りにあると考えています。

多目的スペースのような用途の曖昧なスペースを、たとえば家の隅につくってしまうと、意識的に多目的スペースを使わない限りは、使う頻度が下がってしまいます。

しかし、筆者宅の2階ホールは2階の中心にあり、さらには廊下(各部屋への通り道)にもなっています。2階のどの部屋からも近い距離であり、必ず通る場所にあるので、読書するにしても遊ぶにしても気軽に使えるのです。

また、2階ホールが家族みんなにとっての「お気に入りの場所」であることも、大事なポイント。

壁一面をアクセントクロスにしてブラケットライトをつけてみたり、おしゃれな雑貨や家族の写真を置いてみたり。2階ホールには、筆者のこだわりだけでなく、家族の楽しい思い出もたくさん詰まっています。

家族が頻繁に使う場所にあって、家族みんなのお気に入りの空間であるからこそ、2階ホールは多目的スペースとしても機能しているのだと思います。