忙しい日々を過ごしていると、料理もおっくうになってしまう…そんな経験をおもちの方も多いのではないでしょうか。そんなときは、あえていつもより“ほんの少し”だけ、手間をかけて料理と向き合ってみるのはいかがでしょうか? 今回はインスタグラムで日々「キッチンが楽しくなるレシピ」を発信しているおうちごはん研究家のはなさんに、幸せの「肉ジャガ」レシピを教えてもらいました。

いつもより“ほんの少し”丁寧につくる「肉じゃが」

まだまだ暑い日もありますが、少しずつ涼しい時間が増えて、“冷たいもの”から、秋の食材や温かいものが食べたくなる季節に移り変わっていきますよね。季節の変わり目は心も体もバランスを崩しやすいので、優しい味でほっこりするのもおすすめです。

そこで今回は、いつよりほんの少し丁寧につくる「肉じゃが」のレシピをお届けします。

●いつもよりほんの少し丁寧に。幸せの「肉じゃが」

【材料(2〜3人分)】

牛薄切り肉 200g
ニンジン 1本
ジャガイモ 3個
タマネギ 1個
油 大さじ1
だしパック 1個
酒、砂糖、しょう油、みりん 各大さじ2
はちみつ 大さじ1

【つくり方】

(1) ジャガイモ、ニンジンは皮をむき乱切りにして面取りに、タマネギはくし切りにする。

(2) 鍋に油をひいて、(1)のタマネギを炒める。

(3) ジャガイモ、ニンジンの水気をきり、(2)の鍋に加えて全体を混ぜながら炒める。

(4) (3)に水300mlとだしパックを入れたらフタをして野菜に火が通るまで煮る。

(5) (4)のだしパックを取り出し、酒、砂糖、しょう油、みりんを加えて、全体をゆっくり混ぜ、牛肉を1枚ずつまんべんなく広げ、加える。

(6) (5)にはちみつを加えて、牛肉の色が変わったらフタをして10分煮る。

(7) フタをとり、汁気が少なくなるまで煮る。

●料理を楽しむきっかけをくれた、はなさんの「思い出のレシピ」

この肉じゃがのレシピは、私にとって思い出深いレシピです。

まだ息子が幼い頃、子育てや家事、仕事に追われ、朝起きてから寝るまで、座る暇もない日々のなかで、いつの間にか私にとって料理は、「おいしくつくる」や「楽しくつくる」というものではなく、「こなすもの」になっていました。

本当は料理が好きで、おいしいご飯をつくって、家族の笑顔を見れることが大好きな瞬間なはずなのに、苦痛に感じてしまっている…そんな自分がイヤになりました。

そんなときにふと思い立って、息子が寝静まったあとに、キッチンでゆっくり丁寧につくったのが、この「肉じゃが」です。自分でも驚くほどおいしくて、同時に涙が出るくらいうれしかったのを覚えています。

毎日ゆっくり丁寧に料理をするのは難しくても、毎日の料理を「こなすもの」ではなく「楽しむこと」に変えていこう! そう思えるきっかけをくれたのがこの料理でした。

「野菜の面取りをする時間なんてない」、「お肉を1枚ずつ入れる時間なんてない」…そう思われる方も少なくはないと思います。だけど、ほんの少し時間と心に余裕があるときにこの肉じゃがをつくってみていただけると、きっと、毎日の疲れや、緊張している心がほっこり癒やされるのではないかな? と思います。

●季節の変わり目に楽しく優しい時間を

この時季は、過ごしやすいですが、季節の変わり目はなんだか心も体も不安定になりやすいですよね。そんな季節には、少しでも余白をつくって、チャレンジしてみたいお料理をつくってみるのもおすすめです。

いつも家族のためにお料理をしている方は、自分のためにお料理をしてみるのもいいかもしれませんね。自分にとって楽しい時間が、心に優しさを与えてくれるのではないかな? と感じています。私もこの秋は、つくったことのないメニューに挑戦してみたいなと思います。