ESSE読者から寄せられたお悩みに、清水ミチコさんがお答え!

職場で同じ部署の人達が、仲間割れしているのがつらい

職場で同じ部署の人たちが、仲間割れ状態になっているのがつらいです。私もいつの間にか板ばさみになり、もうどうしていいのかわかりません! お互いがお互いの悪口を言っているのを聞くと、とても悲しい気持ちになってしまいます。

ひでみさん(36歳・接客業)

●悪口の奥底にある弱さや寂しさを受け止めてみて

職場での仲間割れ。仕事だけでも手いっぱいなのに、さぞや疲れることでしょうねえ。あっちの肩をもてばこっちに角が立ち、こっちに加担すれば向こうに波風が立ち。自分は関係なく、むしろ平和的な立場にあるはずなのに、気を揉んでは右往左往するのが「中間」という苦しい存在です。

私が高校生くらいのとき、「世の中で、だれひとりとしてマリリン・モンローに本気で嫉妬はできない」という話を聞いたことがあります。人間というものは、似たような立場かつ、自分と距離の近い人物を敵対視しやすいものなんだと。つまりは逆に、はるかに距離も歴史も遠い立場の存在には、どんなに美人で才能があっても、ヤキモチや妬みすらもてないと。

思えば、地球規模の問題でも、隣と仲がいい国の話なんかはあんまり聞かないですね。隣への苦手意識は、なぜか古今東西ずっと人類に消えないものなので、この変革こそが平和へのカナメとなるかもしれません。

おそらく仲違いしているその人たちは、どこかソックリなのでしょう。だからあなたという、似てない第三者の味方を取りこみたくなるんですね。

人は驚くほど弱い生き物です。敵対したくなると、悪口などで威嚇しようとする。けれどその奥底にあるのは、弱さ、寂しさです。あいつと似た者同士と思われたくない、自分の方だけを見て、認めて欲しい、という単純で切なる欲求なんです。

職場での悪口はこれからも同様、聞いては受け流すしかないと思うのですが、これからはその話の、憎しみの中に潜む本人の悲しみ成分だけを抽出して、受け止めるようにしてみてください。きっと相手も軟化するでしょうし、あなたにとっては発見があると思います。こういうイサカイは今後も絶えず起こるものなので、あなたの人生の素養のひとつになるかもしれませんよ。

<清水ミチコさんがあなたのお悩みに答えます>

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