50代、今度こそ捨てたいときに「まずやること」3つ。片づけスピードがぐんと上がる
40代、50代と年齢を重ねるなかで、「いらないものを手放して身軽に暮らしたい」と考えている人も多いのではないでしょうか? 「ものが少なくなると、すぐにその暮らしやすさを実感できるはず」と話すのは、60代のミニマリストでカナダ在住のブロガー・筆子さん。
片づけたいけれど、どこから手をつければいいのかわからないという人に向け、筆子さんの著書『50歳からのミニマリスト宣言!』(扶桑社)より、「片づけをする前にまずやるべきこと」をご紹介します。
どこから手をつけていいのかわからない人が「初めにやること3つ」
ミニマルな暮らしのために、最初にするべきなのはものを減らすことです。すぐに「暮らしやすくなった」と実感できるはずです。
50代の人はすでに何度か片づけに挑戦し、「いろいろがんばったけどうまくいかない。再スタートするにはどこから始めたらいいの?」と、思っている人が多いと思います。作業を開始する前に、次の3つをしておくと捨てやすいですよ。
●1:ゴールを明確にし、作業時間は短めに設定する
すぐに作業を始めたくなりますが、ちょっと待って。捨てる前に準備をすると、失敗が少ないです。と言ってもすごく簡単なことなので、ぜひやってみてください。
・時間はかけないと心がける
片づけの時間が長引くと、途中でだれて気が散るので時間は短めにします。私は長くても15分で切り上げています。昔は時間をかけすぎて、たくさんのものを引っ張り出して収拾がつかなくなる、掃除など関係ないことを始めてしまう、作業が終わったあとにどっと疲れてほかのことができない、こんな失敗を何度もしました。
「今日は時間があるから、たくさん片づけたい」と思うときも、15分片づけを一単位として、休憩をはさみながら何単位かしたほうが疲れません。タイマーをセットすると、「作業の終わり」が明確になるので集中して片づけられます。
・ゴールと手順をイメージする
作業を開始する前に、これから自分がどんな状態をつくり上げるのか、片づけのゴールと手順を意識しておくと、横道にそれにくくなります。
バッグの中の片づけを例に挙げて、説明します。ゴールは、バッグを使いやすくすること。手順は、(1)中身を全部出してゴミを捨てる(2)不要なものは所定の位置に戻し、必要なものだけをバッグの中に戻す。これだけですが、イメージしておくと短時間で終わります。
・気を散らすものは排除する
片づけを始める前に、気を散らすものはすべて取り除きます。外的なものと、自分の中にある内的なものがありますが、外的なものの代表は家族です。できるだけ家族の邪魔が入らない時間、たとえば、早朝に片づけます。さらに、テレビやラジオを切る、スマホも切るか機内モードにするか通知音をオフにすると気が散りません。
片づけをしている最中にほかの用事を思い出して始めてしまうのは、「自分の思いつき」という内的なものに気が散っている状態です。付箋やメモを用意し、急に思い出した家族の用事や仕事の連絡などを書いておき、その時間は片づけに集中します。
●2:スタートは効果が見える場所をセレクトする
すぐに効果を実感できる場所から始めると、片づけに弾みがつきます。何事も一番エネルギーがいるのは、始めるときです。効果を実感しやすい場所を紹介します。
・暮らしやすくなる場所
テーブル、ソファ、床など平面をきれいにすると見た目が変わり、すぐに暮らしやすさを感じます。また、ガラクタをゴミ袋にいっぱい入れて搬出する通路を確保するために、部屋の入り口や玄関先、廊下の隅で邪魔になっているものを撤去します。
・よく使う場所
自分や家族がよく使う場所を片づけると、始めたその日から効果を感じられます。キッチンやリビング、洗面所やトイレ、玄関をきれいにするのはどうでしょうか? 洗面所や玄関はスペースが狭くて短時間で終わるので、初めの一歩にはおすすめです。
・インパクトのある場所
片づけることによって、いきなり世界が変わってしまうような場所から始めるのもいいでしょう。リビングに置きっぱなしで気になっているピアノを捨てる、食事をするたびに端に寄せているダイニングテーブルの上にのっている紙の山を片づけるなど。
・明らかにものが多い場所
ものがたくさんあって視覚的ノイズを作っている場所を片づけましょう。捨てるものがどんどん見つかり、弾みがつきます。クローゼット、食器棚、本棚、ゲタ箱、押し入れの中など、ものを押し込んでいる場所はありませんか?
●3:片づけやすい環境をつくる
なかなか重い腰が上がらないときは、捨てやすい環境づくりから始めましょう。必要な道具をすべてそろえ、レジ袋やトートバッグに入れて準備をしてください。必要なのは自治体指定のゴミ袋、軍手、はさみ、ビニールひもぐらいでしょうか?
全部ひとまとめにしてわかりやすいところに置くと、ちょっと時間ができたとき、すぐに片づけに取りかかれます。
ゴミの日のスケジュールも確認しましょう。私はいつもアプリで確認しています。ゴミの日は週に一度、毎週木曜日ですが、その週によって出すゴミの種類が替わるので、アプリで確認すれば間違えません。
普段から集中することを意識すると、片づけ力アップにも役立ちます。瞑想をしたり、一人で静かに考え事をする時間をもうけたり。用もないのにSNSをだらだら眺めるのはよくありません。こま切れの情報を追いかけてばかりいると、肝心のときに集中できなくなります。いつもマルチタスクをしている人は、あえてシングルタスクをする機会をつくってください。
体力、気力が衰えていく50代以降は、いかに集中して短時間で片づけられるかが重要です。
筆子さんの著書『50歳からのミニマリスト宣言!』(扶桑社)では、ここで紹介した以外にも、ミニマリストになってよかったことや、上手なものの減らし方、体と心の健康を保つコツなど、これからの暮らしに役立つ内容をたっぷり掲載しています。