“スー美香”コンビの軽妙なかけ合いが魅力の大人気ポッドキャスト番組『OVER THE SUN』(TBSラジオ)。パーソナリティのジェーン・スーさん、堀井美香さんこれからを身軽に生きていくために、不要なものの手放し方や自分自身との向き合い方について伺いました。

「持ち物を減らしたら、選択する手間と時間が減りました」

年齢とともに手放せないものの多さに悩んでいる人は多いもの。

【写真】ジェーン・スーさん、堀井美香さんの写真をもっと見る

ものとの向き合い方を変えて身軽に生きるヒントを多数紹介するムック『これからは「捨てる」「手放す」でもっと身軽に!』より特別に、ジェーン・スーさんと堀井美香さんのインタビューを抜粋してご紹介。あふれるものとどう向き合うか、手放すか…大人世代の悩みに、自信のエピソードとともに回答してもらいました。

●ものが減ったら、自宅の2階が不要に

――おふたりは、不要なものはすぐ手放せる方ですか?

ジェーン・スーさん(以下スー):もの捨てといえば堀井さんだよね。

堀井美香さん(以下堀井):はい、「もの捨て女」です(笑)。同じものが複数あったら1つだけ残すとか、新しく買ったら古いものは捨てるとか、もともと不要なものはすぐ捨てる方でした。整理整頓好きの夫が家にいる時間が長くなったこともあり、4、5年前から加速し始めて。「亡くなるときにものを残して子どもに迷惑をかけたくない」という気持ちが大きく、去年ぐらいから「思い出のもの」にも手をつけ始めました。「この思い出は私にとってのもので、子どもにとっては違うんだ」と気がついたのがきっかけです。

スー:堀井さんが家の写真を送ってくれたとき、モデルハウスのようにものがなくて爆笑しました。棚はあっても、棚の中になにも入っていない。最近、「もう2階がいらない」って言ってたよね。

堀井:捨てるのがクセになったら、どんどん気持ちよくなってきて…。ものがないから自宅の2階はなくてもいいやと思うようになりました。お人形の家みたいに折りたためないかな。増築じゃなくて、減築して、その分庭にできたらいいのに。

――ものを手放してよかったことはありますか?

堀井:持ち物を減らしたら、選択する手間と時間が減りました。たとえば食器も、少ししかないから迷わない。ものがないと掃除もラクだし、脳も時間も使わないですむんです。

●実家の片づけ以来、捨てることに恐怖心が

スー:逆に、私は捨てるのが本当に不得手。苦手になったのは明確な理由があって、30代半ばで、実家を手放したときからなんです。4階建てのビルには、母の遺品も含めた30年分の荷物が大量に。それを短期間で捨てる決断をしなくてはいけないプレッシャーで、ものを捨てることに恐怖心が生まれてしまって…。

しばらくは清掃車の音を聞くのもダメだったぐらい。母が亡くなって27年になりますが、今住んでいる部屋のクローゼットにも、自分の服と一緒に、母が使っていたものをしまったままにしているんです。じゃまだな〜と思いつつも手放せない。

堀井:この間、お母さまのバッグを持ってきていたよね。

●ものの捨てどきは自分が納得したとき

スー:服や靴は使えないんだけどね。私の場合、「今使うか」という基準ではなくて、好きなものが視界に入る状態の方が心地いい。今は収納用品を捨てちゃって棚がないんですが、好きだったCDや読みたい本、映画のDVDとかを面出しして並べた“祭壇”みたいな場所が部屋にあると落ち着くなと感じます。

堀井:捨てられない人は、ものに対しての気持ちや愛情が強い人なんじゃないかな。

スー:堀井さんのように、その人にとってのタイミングが訪れて捨て始めるのはいいけど、私みたいに、「何月何日までにものをなくさないといけない」という切羽つまった状態に自分を追い込むのはおすすめしません。精神的な負担が、とにかく大きかった。

堀井:何歳だから、周りがやってるから、じゃなくて、自分が納得したときが捨てどきだと思います。今、両親が家の片づけで大変そうなんですが、いきなり全部処分しようとするのは難しい。10あるものを5に、5を3にと、ちょっとずつ減らしていくのがいいんでしょうね。

『これからは「捨てる」「手放す」でもっと身軽に!』では、対照的なおふたりの「捨て活」について、さらに、住まいだけではなく心にも、余計なものをためないための心がけについてお話しいただきました。