テレビ局の垣根を超えて人気キャラが集合。コラボ実現をかなえた「1.5℃の約束」とは?
持続可能な社会をつくるための「SDGs」。2030年までの達成をゴールとした「持続的な開発目標」を指し、世界的に注目されています。一見難しそうに感じますが、じつは私たちの暮らしのなかに取り入れられることがたくさんあります。
今回のテーマは「SDGs目標達成のためにテレビ局にできること」について。SDGsに詳しいフジテレビの木幡美子さんにつづってもらいました。
テレビ6局の人気キャラクター&アナウンサーが大集合
ずらりと並んだキャラクターたち。どこかで見たことある〜!という方も多いのではないでしょうか? これはすべて「テレビ局のマスコット」なのですが、みなさんはいくつ知っていますか?
左からどーもくん(NHK)、そらジロー(日本テレビ)、ゴーちゃん(テレビ朝日)、Boona(TBS)、ナナナ(テレビ東京)、ガチャピン(フジテレビ)。
このようにテレビ局のマスコットキャラクターが一堂に会することはとても珍しいことです。
●キャラクターが集まった理由は?
なぜこんな愛らしいショットが撮れたかというと、日本のメディア155社が国連といっしょになって展開する気候キャンペーン「1.5℃の約束」のオリジナル動画の撮影があったからです。
2022年からはじまったこの「1.5℃の約束」ですが、テレビ6局は独自に共同キャンペーンを展開しています。去年はコロナ禍だったため、各キャラクターを個別に撮影し合成したのですが、今年はみんなでNHKに大集合〜! 次々とスタジオ入りするキャラクターたちで楽屋はもう大騒ぎ。NHKの受付の方も、別の番組のために来ていた出演者の方々も「えーなんで他局のキャラクターがここに!?」と驚いていました。
●各局のアナウンサーも集結し「SDGs」の情報共有も
キャラクターだけではなく、各局のアナウンサーも勢ぞろいしました!
やっぱりリアルはいいですね。上の写真をよく見るとテレビ東京の松丸アナウンサーはガチャピンのシールを手にもっています。このキャラクター勢の中では大御所と言えるガチャピンは、収録後「子どもの頃みてましたぁ〜!」と女性アナウンサーたちに囲まれ、このシールを配っていたのです。お互いコミュニケーションをとることで、各局の興味深い取り組みやサステナビリティの取り組みなども分かち合うことができました。
そして、9月24日にはNHKに民放アナウンサーが集まって収録した特別番組『1.5℃の約束 いますぐ動こう、気温上昇を止めるために - NHK』も放送されました。(TVerやNHKプラスで検索)
●今こそ「企業」の垣根を超えて手を取り合うとき
このように2年連続で、大型コラボが実現したのもSDGsのおかげかもしれません。
SDGsにはつなげる力があります。テレビ局だけではなく、ほかにもこれまであまり結びつくことがなかった人・団体・企業が同じ目標にむかってつながり始めています。
視聴率を競い合うなどもともとはライバル同士のテレビ局が一緒にアクションを起こすことは、そんなに簡単なことではありません。みなさんが関わる業界に置き換えてみて、ちょっと想像してみてください。
そのハードルを越えてまで目指したいゴール。それは、今、目の前にある気候危機の解決です。
●子どもたちの未来のためにできること
この夏は気温によって外遊びやプールを中止にする保育園があったとか。
また、公園の遊具が熱くなりすぎて、子どもを遊ばせられない、なんて声も聞きました。
屋外での部活動なども日中は危険なレベルに…。子どもたちの貴重な体験が奪われ始めてているのです。
その原因をつくってしまった私たちの世代は、子どもたちのためにも、なんとかこの危機をここで食い止めないといけません。
電気の使用量を減らしたり、再エネに切り替える、車や飛行機の移動を減らす、ゴミやファッション・フードロスを減らす、そして何より正しい情報を得ることで、地球の平均気温の上昇を産業革命以前とくらべて1.5℃におさえるアクションを起こすことが今、必要なのです。
「1.5℃の約束」は、私たち大人が子どもたちに対して果たすべき約束なのです。