春野「Paris feat. YELLOW黃宣」、AYANE「#Twenty」、音田雅則「fake face dance music」、Uilou「ヒミツ」

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令和になってから、日本のポップシーンの構造は大きく変化した。TikTokで曲がバズってスターダムを駆け上がったり、Spotifyをはじめとした音楽ストリーミングサービスで再生数やリスナー数が一気に伸びたりなど、アーティストが世に出るまでのルートが多様化している。インターネット上で楽曲を広めるチャンスが増えているため、YOASOBIや藤井風のように、世界的に人気を獲得するアーティストもますます増えてくるだろう。今回は、令和のポップシーンを担う新世代のミュージシャン4組に注目してみたい。

1組目は、シンガーソングライターの音田雅則(おとだまさのり)。2023年7月にリリースした楽曲「fake face dance music」のリリックビデオは公開から2ヶ月で1,000万再生を突破するなど、大きな話題を読んでいる。

本作はダンサブルでキャッチーな楽曲だ。4つ打ちのドラムパターンとギターの音が印象的なトラックに、クールで力の抜けたボーカルが乗っている。まさに“令和ポップ”と言えるようなメロディ感で、中毒性の高いサウンドに仕上がっている。

音田雅則の音楽は、imaseやなとりと近いものがある。打ち込みと生音を融合させたダンサブルなトラックに、脱力感のある男性ボーカルを乗せる。全体的にお洒落な雰囲気であり、そういったアプローチが多くのリスナーの心を掴んでいるのではないだろうか。

2組目は、シンガーソングライターのAYANE(あやね)。TikTokを中心にバイラルヒット曲を生み出しており、楽曲「bye bye」のリリックビデオはYouTubeで190万再生を超えるなど、次世代の女性シンガーとして注目されている。

AYANEの特徴は、キャッチーでメロディアスな歌だ。一度聴いたら耳から離れず、思わず口ずさみたくなってしまう。叙情的な歌い回しでありながら、クールさも兼ね備えている。そんな彼女に憧憬の念を抱く若者も多いだろう。

また、AYANEの楽曲には恋愛を題材としたものが多い。歌詞ではリアルな心情を綴っており、共感しやすいストレートな表現が魅力的だ。恋愛ソングのトップランナーとして、一世を風靡する可能性を秘めている。

3組目は、シンガーソングライターでトラックメーカーの春野(はるの)。2020年にはEP「IS SHE ANYBODY?」をリリースし、iTunesおよびApple MusicのR&Bチャートで1位を獲得するなど、期待のアーティストだ。

ジャズやヒップホップに影響を受けたというバックグラウンドからも分かるように、ブラックミュージックをベースとした楽曲が多い。スムースでグルーヴィーなトラックに、シルキーな歌声を乗せるスタイルで人気を博している。

作詞作曲からトラックメイク、そしてミックスやマスタリングまで自身で行うなど実力派として知られる春野。yamaや佐藤千亜妃とのコラボレーション楽曲もリリースしており、ポップシーンで存在感を放っている。

4組目は、オルタナダンスミュージックデュオのUilou(ういろう)。2023年7月には日本を代表するトラックメイカーtofubeatsによるRemix作品「ヒミツ(tofubeats Remix)」をリリースし、Spotify公式プレイリスト“キラキラポップ:ジャパン”や“Monday Spin”に選出されるなど、要注目のアップカミングアーティストである。

Uilouの特徴は、ローカロリーでメロウなダンスミュージックトラックと個性的でチャーミングな歌声だ。ダンサブルでありながら、家の中で何度も繰り返して聴けるようなサウンドを制作している。

世界的なトレンドになっているJungleビートを取り入れた楽曲をリリースするなど、現在のJ-POPシーンではあまり見受けられないアプローチをしているUilou。その独自の音楽性には注目が集まっており、今後センセーションを巻き起こすかもしれない。

今回は、令和のポップシーンを担う新世代ミュージシャン4組を紹介した。目まぐるしく変わる音楽シーンの中で、次はどのアーティストが脚光を浴びるのか。そういったことを意識しながら音楽を聴くと、より一層楽しむことができる。最先端のポップミュージックを知りたいという人は、ぜひ本日紹介した4組の楽曲を聴いてみてほしい。

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