井上尚弥【写真:荒川祐史】

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米専門メディアが報道

 7月に行われたボクシングのWBC&WBO世界スーパーバンタム級(55.3キロ以下)タイトルマッチ12回戦で、4階級制覇を達成した井上尚弥(大橋)。世界で最も権威ある米老舗ボクシング専門誌「ザ・リング」のパウンド・フォー・パウンド(PFP)で2位に格付けされるなど世界的評価を高める中、一つ上の階級の元WBC世界フェザー級王者が井上との対戦に興味を持っているという。米専門メディアが伝えている。

 昨年12月にバンタム級4団体統一王者となり、スーパーバンタム級転向初戦となった7月のスティーブン・フルトン(米国)戦で8回TKO勝ちを飾っていきなり2団体統一王者となった井上。試合後にもう一人の2団体王者のマーロン・タパレス(フィリピン)がリングに上がり、両者ともに対戦を熱望した。4団体統一戦が期待されているが、井上と対戦を希望する選手はタパレスだけではない。

 米専門メディア「ボクシングシーン.com」は「ゲーリー・ラッセルJr.がナオヤ・イノウエとの対戦に興味」との見出しで記事を公開。本文では元WBC世界フェザー級王者のゲーリー・ラッセルJr.(米国)を取り上げ「彼は、極めて熱心なボクシングの観戦家というわけではないが、ナオヤ・イノウエに注意を向けている自分に気が付いた」「殺傷能力とハンドスピード、容赦ない攻撃性によりラッセルはファンを作ってきた。普段は厳しい批評家の彼でさえ、イノウエの特別な才能は認めざるを得ない」と、ラッセルJr.が井上に興味を持っていることを伝えた。

 同メディアは、ラッセルJr.が語った「彼は本物だ」というコメントを紹介。「イノウエほど優れた選手との対戦を考えるだけで、ラッセルの身の毛はよだつようだ」と報じた。さらに「35歳の彼は当初、キャリアのこの段階では階級を上げることが必要だと明かしていた。126ポンド(フェザー級)での滞在を長めることは簡単ではないものの、得られるファイトマネーが十分であれば、ラッセルは黙認するだろう」と続けている。

 ラッセルJr.は同メディアに対し「正しい金額が得られれば? もちろんだ。彼(井上)は対戦したい選手だ」と語ったという。2022年1月22日に米ニュージャージー州で行われたWBC世界フェザー級タイトルマッチで、王者だったラッセルJr.はマーク・マグサヨ(フィリピン)に判定負けを喫し、防衛に失敗している。

(THE ANSWER編集部)