一人暮らしの男の部屋に行ったら、見つけてしまった“あるモノ”。これは白黒どっち…？
男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。
出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。
-あの時、彼（彼女）は何を思っていたの…？
誰にも聞けなかった謎を、紐解いていこう。
さて、今週の質問【Q】は？
▶前回：100年の恋が冷める瞬間！？汗ばむ夏のデートで、女が犯してしまった失態とは
土曜23時。今日も二軒目を終え、私の家に向かおうとする圭の腕を掴む。
「いいけど…でも菜穂の家の方が近くない？」
私の家は中目黒にあり、今いる恵比寿からは近い。でも最近、圭に対して疑念が芽生えていた。
「なんで毎回私の家なの？」
「僕の家、遠くない？」
「そうだけど…」
圭の家は代々木上原にあるため、中目黒に比べると遠い。でもタクシーを使えばすぐに着く。
一度だけ、圭の家に行ったことがあり、既婚者ではないことは確かだ。「私以外の女性とは遊んでいない」とも言っている。
それなのに、なぜか頑なに家に入れてくれない圭。
彼のことは好きだけれど、どこか信用しきれない。女の勘が「信じるな」と言っている。
本当に何もないのか？それとも彼は何かを隠しているのだろうか…？
Q1：「結婚願望がある」と言う男の心理は？
圭と出会ったのは、まさかの街中だった。虎ノ門の横丁で女友達と飲んでいたところ、隣に座る二人組の男性から声をかけられた。その一人が圭だった。
「お二人ですか？一緒に飲みませんか？」
スーツ姿の二人は身長も高く、顔もカッコよく、断る理由が見当たらない。普段ならこの誘いを無視するかもしれないが、彼らは素敵だったので私たちは一緒に飲むことにした。
「ケイって言います。お名前は？」
「私は菜穂です」
「菜穂ちゃん、可愛いね」
― この手慣れた感じは、一体…。
最初は警戒していた。でも女性を口説き慣れていそうな圭のペースに、いつの間にかハマってしまった。
結局4人で24時前まで楽しい時間を過ごし、私たちは連絡先を交換して解散した。そして翌日。圭から連絡が来て、私たちは代官山の『アタ』でデートをすることになった。
翌日のデートも楽しくて、ますます私は圭に惹かれてていった。
「菜穂ちゃんは今彼氏いないの？」
「いないよ〜」
「なんで？こんな可愛いのに」
「本当に圭くんって、口がうまいよね」
「そんなことないよ。本当のことだよ」
ちなみに圭は大手の広告代理店で働いている。実家は東京で、育ちも良い。
「圭くんって絶対モテるよね」
「どうだろう。そうでもないかも」
本人はそう言うけれど、連絡もマメだし、優しいし、カッコいいし、モテないはずがない。
「圭くんって本当に今彼女いないの？」
「うん、いないよ。でも早く結婚して子どもが欲しいんだ」
この言葉に、思わず反応してしまう。私は今年で29歳になるが、絶対今年中に結婚したかった。
― わざわざ結婚願望のことを話すのには、どういう意味があるのだろう…？
少しは私に可能性があるから言ってくれたと捉えていいのだろうか。でもどうでもいい子に、こんな話はしないはず。
「…そうなんだ。私も早く結婚したいんだよね」
「マジ？じゃあ結婚しちゃう？（笑）」
― これは冗談、これは冗談…。
冷静さを保つために心の中で繰り返してみる。でも内心、かなり嬉しい。こうして初デートを終えてから、私たちは2週間に一度くらいの頻度で会うようになった。
マメな圭は毎日のように連絡もくれて、会えないときでもLINEのやり取りは続く。
そして三度目のデートの帰り道。
「今日、菜穂の家に行ってもいい…？」
「うん、いいよ」
こうして、私たちは一緒に朝を迎えた。
しかし翌朝。ふと私は冷静になった。
― そういえば、なんで私の家だったんだろう…。
普通、初めてのお泊まりは男性の家に行く気がする。別に家に来てもらっても構わないのだけれど、若干不思議な気持ちになった。
そしてこの“微かな引っ掛かり”は、後々どんどん大きくなっていく。
Q2：この男、浮気している？
自然に事を進める彼のペースに乗せられ、すっかり圭にハマった私。
懸念していた「体の関係を持ったらそこで終わるのでは…？」という思いも払拭され、幸せな日々が続いていた。
そんな中、次のデートでも私の家に来た圭。
「次は圭くんの家に行きたいな」
「え？僕の家？」
「うん…ダメ？」
「別に構わないけど…わかった。次回ね」
こうして、三度目のチャンスでようやく私は彼の家へ上がれることになった。しかし、圭の家へ行けて嬉しいはずなのに、逆に疑念が強くなってしまった。
「圭くんの家、意外な小物が多いね」
テレビの隣に、なぜか海外のブランド物のハンドクリームがある。
キッチンの調理器具やソファのクッションのセンスなど、男性だけで住んでいるようには思えないような雰囲気。トドメは、洗面台にある化粧品だった。
「前の彼女が置いていった物が多くてさ」
「そうなんだ」
そう言われるとそんな気もする。たしかにクッションは少し古そうだし、女性の香りはしない。化粧品もほぼ中身がない物だ。
でも、何かが気になる。
「本当にひとりで住んでるの？」
「もちろん。そうじゃないと、菜穂を家に呼んだりしないでしょ」
「そうだよね…」
本人がそう言うなら、きっと嘘ではないはず。でもどうして何かが引っかかるのだろうか…。
結局、この日はそれ以上何も聞けないまま、何となく泊まらずに早めに帰った。
しかし、その後も毎回圭は私の家に来る。そしてなぜか絶対に代々木上原の自宅には連れて行ってくれない圭。
「圭くんの家もあるし、上原は美味しいお店もたくさんあるから、次は上原で飲もうよ」
「うん、そうだね。でも、恵比寿とかのほうが菜穂も来やすいでしょ？」
― テリトリーに入られたら、何かマズイことがあるのかもしれない！
そんな疑いにキリがなくなってきた。
「そういえば、来週大阪に行くんだよね」
「そうなの？誰と？」
「一人だよ。向こうに友達がいるから。昔転勤で、2年ほど大阪に住んでたって言わなかったっけ？」
「言っていたような気もする…」
大阪に住んでいたことは以前圭から聞いた。友達がいることも真実だと思う。
― でも、本当に一人で行くの…？
信じるべきなのはわかっているけれど、100％信じきれない自分がいる。
▶前回：100年の恋が冷める瞬間！？汗ばむ夏のデートで、女が犯してしまった失態とは
▶1話目はこちら：「あなたとだったらいいよ♡」と言っていたのに。彼女が男を拒んだ理由
▶NEXT：8月6日 日曜更新予定
この男のこと、どこまで信じていいの！？
