ブラジルではフカヒレは食べない。

アジア向けに密漁したと思われる

 ブラジルの環境・再生可能天然資源院、通称IBAMA(イバマ)は現地時間の2023年6月19日、アジアに違法輸出される予定だったフカヒレ28.7トンを押収したと発表しました。この押収量はフカヒレとしては世界最大となるそうです。


今回押収されたフカヒレ(画像:IBAMA)。

 押収されたフカヒレは、形状から、ヨシキリザメとアオザメの2種類とのこと。サンタカタリーナ州の輸出業者から押収し、主にブラジルの南部地域で違法な漁を行い捕獲されたものとみられます。

 ブラジル国内では、フカヒレを食べることがほとんどないため、日本や中国など、需要のあるアジア地域に送られるものと考えられています。

 今回の押収品の量からサメの捕獲数を推測すると、約1万匹のサメが犠牲になったそうです。環境に多大な悪影響を与えるとしています。ブラジルでは通常サメの漁は許可されておらず、業者はほかの漁獲ライセンスを使用し、違法に漁をしていたとみられています。

 ちなみに、イバマはブラジル環境省の下部機関になりますが、取り締まりの対象はこうした密漁業者のほか、アマゾンの違法伐採業者や違法採掘業者などがあります。これらの集団はマフィアの息がかかっており、違法薬物や麻薬なども取り扱うこともあり、規模が大きく危険な集団になりがちです。

 そのためイバマでは、自前の巡視艇やヘリコプターだけではなく、自動小銃などの銃火器も装備しており、軍とはいかないまでも、警察組織の特殊部隊並みの装備であることが特徴のようです。