電車のドア上には液晶ディスプレイの装置がありますが、車両によってそこに「ちょっとした出っ張り」がついている場合も。これは何のためにあるのでしょうか。

しっかりと設計に反映された「出っ張り」

 最近の電車の多くのドア上部には、LCD(液晶ディスプレイ)が搭載されています。

 ところで、そのLCDの筐体の下に「出っ張り」がある車両が、ちらほら見られます。たとえばJR東日本の主力車両であるE233系電車はLCDの下が「つるん」としていますが、小田急の最新型5000形では「ぐいっ」と手前に飛び出しています。


ドア上のLCD装置にある「出っ張り」(乗りものニュース編集部撮影)。

 満員電車へ乗る時、手すりのあるドア横は取り合いになり、空きが無ければドア前に立つことになります。つり革も近くに無く、発車・到着の時の加減速時に思わず掴むのが、あの「ドア上の出っ張り」だったりします。

 そのなかでも東急は近年の車両(5000系、6000系、7000系、2020系列)で出っ張りを「完備」しており、他社とくらべて奥行きがそこそこあり「掴みやすい」イメージがあります。あの出っ張りはやはり掴むためのものなのでしょうか。

 東急の広報担当者は「はい。車内混雑時など、ご乗車の方の手掛けとして導入しております」と話します。「強く握る」というよりも、あくまで「車内混雑時などにご乗車の際の手掛け」という認識で設計しているそうです。

 当然ながら、バランスを取り身体を支えるのが目的なので、ぶら下がるなど「過剰な負荷をかけないようにしていただければ」(同)とのこと。もっとも、出っ張りといっても奥行きは指の関節2つ分も無いので、全体重をかけるのは構造的に想定されていません。