できたばかりなのに「お役御免」? さいたま新都心の高速バスターミナル 今後どうなる
大宮駅西口に「バスタ」のような高速バスターミナルが検討されています。さいたま新都心にある高速バスターミナルはどうなるのでしょうか。
高速バスは「大宮駅周辺集約型」に
さいたま新都心には、2020年6月に高速バスターミナル「さいたま新都心バスターミナル」が開設されました。ただ今後、大宮駅西口にも「バスタ」のような高速バスターミナルを整備することが検討されています。さいたま新都心のバスターミナルはどうなるのでしょうか。
さいたま新都心(画像:写真AC)。
「さいたま新都心バスターミナル」は、さいたま新都心駅東口から徒歩7分の場所にあります。4つの高速バス乗り場のほか、待合室やトイレ、バス駐車場、一般駐車場、タクシープールなどで構成されています。
このバスターミナルは、さいたま市が東京五輪の開催に合わせ、インバウンドを誘導することを目的に整備したものです。ただ、乗り入れる高速バスの本数は大宮駅周辺と比べると少なく、発着が夜間に集中しているため、昼間は閑古鳥が鳴く状態です。また、バスターミナルの敷地は、新市役所の整備予定地となっており、2031年度までに新庁舎が建設される予定です。現在の土地利用は暫定的なものなのです。
現在、多くの高速バスが集まる大宮駅では、「大宮駅西口交通結節点事業」として、「バスタ」のような公共交通ターミナルを設けることが検討されています。これは国土交通省・関東地方整備局が主体となって検討している構想で、埼玉県、さいたま市、埼玉県バス協会、JR東日本なども参加しています。今後、候補地の選定を経て事業計画を策定する予定で、これから検討が深度化していく段階です。
さいたま市は2023年6月、「さいたま新都心バスターミナル」の今後の方向性を明らかにしました。それによると、高速バスは基本的に「バスタ大宮」に集約。一部がさいたま新都心を経由する「大宮駅周辺集約型」となる方針です。
将来的にさいたま新都心の高速バス乗降場は、さいたま新都心駅の東西の交通広場で確保することを想定しています。今後、必要となる機能や改修計画を交通事業者と調整を図りながら検討する予定です。バスの駐車場機能は、新たに整備する市役所本庁舎敷地内で確保するとしています。
さいたま市の高速バスターミナル機能は、「大宮」と「さいたま新都心」の2拠点体制から大宮集約型となる見込みです。利用者にとっても、さいたま新都心よりも新幹線が停車する大宮駅周辺に高速バスターミナルがある方が便利です。現在の「さいたま新都心バスターミナル」は今後もしばらく使われますが、いずれ「バスタ大宮」やさいたま新都心駅の東西交通広場に役目を譲ることになりそうです。